OpenMP入門書として非常に秀逸な本。OpenMP自体が扱いやすいということもあり、この本一冊読んだだけでも実用的な知識は十分得られる。
ただ、高速化の限界に挑戦したいといった考えであるなら、そもそもOpenMPを使うかどうかというところに立ち返らなければいけないし、そうすると並列処理自体をもっと学ぶべきである。この本では学べない。
あと、画像処理と音響処理のサンプルにページ数の半分を割いており、これは意見の分かれるところだと思う。

初めて並列処理に触れるというのであれば、まず手にとってもらいたい本。

C/C++の唯一のOpenMP本。
そろそろ、マルチコアCPUの並列プログラミングをと思ってOpenMPに辿りつきました。
当然C/C++プログラミングは普通にできる人向け。ストイックにOpenMPの説明です。
分散・共有メモリや、共有変数とプライベート変数などの説明があり、C/C++は知っているけど、並列プログラミング初めての人向けに書かれてます。

サンプルコードがちょっと長いのが難点ですが、ソースはダウンロードできるみたいなので良いとします。
同じようなデータ処理をいろいろな角度から、いろいろなOpenMPのコードを使って書いていて、比較が見れます。OpenMPだけでなく、スレッドプログラミングやSIMDとの比較も書いてあります。

高速化用途により一長一短、OpenMPが得意でないことも書かれているのは良いと思います。
後半の章で、同期・非同期・性能改善、並列化困難なコードなどは、並列化プログラミングを現実的な側面から見ていて有用です。

OpenMPの日本語本なので星は甘め。1番初めに読む本として悪くないと思います。