エリート機関士達の、奮闘の記録
★★★★★
人間の作った機械のうちで、最も人間に近い機械と言われる蒸気機関車。
石炭を炊き、水を補給しつつ、なおかつボイラーの圧力にも気を配らないと上手く走れない、とても運転の難しい機関車でもある。
真夏には50度を超すような運転室内で繰り広げられる数々のドラマ。
列車を牽引して走ることの難しさ。蒸気機関車ゆえの、トンネル内での煙との戦い。
遅れて来た列車を少しでも回復させるという、機関士としてのプライド。
機関車の状態も万全ではないが、少しでも状態を良くしようとする機関助士の苦労。
それでも列車が重く、じりじりと喘ぐようにしか登ってゆかない機関車。
ここで空転しては、坂の途中で止まってしまう。そうなると、一旦引き返すしか手はない・・・
鉄道の正確さと安全運転を支えた、SL乗組員達の激闘の記録。
SL好きだけでなく、鉄道好きの人達には、一度は目を通して貰いたい名著だと思う。