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野ばら [DVD]

価格: ¥1,890
カテゴリ: DVD
ブランド: IVC,Ltd.(VC)(D)
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原題は「我が人生最良の日」 ★★★☆☆
オーストリアが舞台の西ドイツ映画(1957年)。
昔からドイツ語学習者の中には「ウィーン少年合唱団」ファンの一群がいる、というのは知る人ぞ知るの事実。私の出身大学のドイツ語学科にもしっかり存在していた。本作品はそういう方にはお薦め出来る。ウィーン少年合唱団が舞台になっている物語であるからして。
私は五十年代のウィーンが見たくて本作品を手にしたのだが、カルチャーショックを受けた。いや、カルチャーショックとは違うのかもしれないが、どうやって見ていいのか分からない。ストーリーもキャラもあまりに陳腐過ぎる。ハンガリー動乱を逃れてきた難民の孤児を主人公に、なんでこうも底抜けに明るく話が流れていくのか。ウィーン少年合唱団ファンでないならば(私は違う)、このどうしようもない古臭さや安易さにどう対処すべきか。
まぁしかし「なんだこりゃ」と唸りながら、結局はそこそこ楽しんで見てしまった。まず「オーストリアは綺麗だなぁ」と楽しい。ドナウ川の風景も川沿いの街の遠景もステキだ。美人の寮母さんが意味不明にディアンドルに着替えて登場したり、少年たちが意味不明にやたらと行進して歌っていたり、アメリカ演奏旅行というのがグランドフィナーレだったり、なんとなく面白い。美しい中部ヨーロッパの風景を舞台に、大人たちは善意の塊で、少年たちは幼く清く、誤解はすぐに解け、嫉妬はすぐに溶解し、許しはあっという間に訪れ、孤独や孤立は存在しない、という世界を見ていると、経験もない時代へのノスタルジアが湧いてくる。こういう映画が製作され、愛された時代があった。ちなみに子供映画の上に俳優たちの発声が昔風にクリアなのでドイツ語が聞き易い。ドイツ語学習者の方もどうぞ。
善意の美しさ、思いやりの尊さ ★★★★★
全篇を通じて人の善意の美しさと思いやりの尊さを描いた秀作。私自身この映画を少年時代に観ることができたのは幸福だったと思う。現実の社会がそれほど善意に満ちたものでないことに気付いた後でさえあの時の感動は忘れることが無かったし、少なくとも単純な私は彼らのように生きたいと子供心に思ったものだ。そして今はこの作品がパソコン・ゲームに熱中する多くの子供たちに観られることを望んでいる。果たして現在、これだけ純粋に善意をテーマにしたファミリー向けの作品がどれだけあるだろうか。

随所にちりばめられたウィーン少年合唱団のコーラスも、映し出されたティロルの清々しい高原の風景や、彼らが寄宿生活をしている豪奢なアウガーテン宮殿などを通じてすこぶる爽やかな印象を残してくれる。日本では当初から『野ばら』の題名で知られていたが、オリジナルのドイツ語タイトルでは、主人公の孤児トーニの台詞から取られた『僕の人生最良の日』となっている。

主役を演じた当時12歳だったミヒャエル・アンデは現在でも母国ドイツで現役俳優として活躍しているようだ。尚このDVDは過去に出たもののリイシュー廉価盤で1957年制作だが画質に破綻も無く良好。日本語の字幕スーパーに関しては、いくらかやっつけ仕事的ではあるけれど作品を損ねるものではない。同じ出演者による『ほがらかに鐘は鳴る』も今回再リリースされた。