意外とすばらしい内容
★★★★☆
この本はディジタルフィルタなどの勉強のためにはあまり参考にはならない。しかし、ディジタル通信などの分野で必要になる不規則信号理論や信号の統計的扱いなどに対して、大変わかりやすい記述に満ちている。医学系を専門とする著者のせいであろうか、タイトルどおり、使う側の立場に立って記述されており式の表現もとても具体的である。信号処理を扱った本は、具体性に乏しく目的を見失いがちであるが、小難しい本を読んだ後に本書を読むことで知識が再構築され、生かされるのではないかと思える本である。専門外と思える著者の書いた本は、入門書としてはわかりやすいということが当てはまる一冊。