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Ubiquity (Dig)

価格: ¥1,400
カテゴリ: CD
ブランド: Verve
Amazon.co.jpで確認
プレ・フュージョン期のエレクトリック・キーボ−ドが心地よい、無名の傑作 ★★★★★
 デジ・パック仕様のVerve ORIGINALSシリーズは、60〜70年代の実力盤を中心に、貴重なディスクを復刻してくれるので大いに助かるが、今回は、1971年にpolydorから出た、ロイ・エアーズのアルバムがCD化された。
 ロイ・エアーズのディスコグラフィーは未見なので、本作も今回初めてその存在を知り、いわば「ぶっつけ本番」で購入したが、幸いにも、「大当たり」と出た。

 60年代後半70年代初頭の、サイケ〜プレ・フュージョン時代の音楽が、ソウルにしろジャズにしろロックにしろ、一番気に入っている私としては、ロイ・エアーズが1971年という段階でどういう音楽を創造していたのか、どれだけエレキ化が進んでいたのか、大いに興味を持っていたが、まず、リング・モジュレーターを一部使用していると思しい電気鍵盤楽器の音色が心地よい。一部、ディープ・パープルのジョン・ロードが弾くオルガンのような部分もあり、エキサイティングだ。
 
 メンバーも興味深く、当時ウェザーリポートのメンバーだったアルフォンソ・ムザーンがドラムス、前年、マイルスのライヴ・バンドに短期間加わっていたユマ・サントスが、コンガである。
 また、なぜかキャノンボール・アダレイがらみの曲が2曲採用されているが、弟ナット・アダレイ作曲の「Hummin'」では、(ユー)ジーン・マクダニエルズが共作者として名を連ねている。おそらく、作詞を担当したのだろうが、彼が同じ71年に発表したリーダー作「ヘッドレス・ヒーローズ」に参加していたキーボードのハリー・ウィテカーやギターのリッチー・レズニコフが、こちらにも参加してる。アルフォンソ・ムザーンも共通だ。
 最後の曲は、ジョー・サヴィヌル作曲で、当時のキャノンボールのアルバムでも取り上げられていた。

 本作はエアーズのリーダー作だが、決してヴァイブのみが目立っているわけではなく、むしろ、「オン・ザ・コーナー」におけるマイルスのトランペットのように、背景に上手く溶け込んでいると思う。各人の名人芸を取り出して楽しむのではなく、音楽全体のヴァイブレーションを楽しむべきなのだ。

 未聴の方は、是非!