傑作文学の幻の「デモ・ヴァージョン」!
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あまり話題になってないようですが、世紀の刊行です。アメリカでしか生まれ得なかった二十世紀のアメリカを代表する傑作文学の幻の「デモ・ヴァージョン」とでも呼べるものがついに発掘されたのですから。
この発掘を音楽に例えるなら、チャーリー・パーカーの1940年代のプライヴェート・ジャム・セッションとか、エルヴィスの50年代サン・セッションのリハーサル・テープとか、ビートルズの、、、ま、いいか。とにかく、そんな歴史的未発表音源の、いろんな「大人の事情」でオーヴァー・ダビングや擬似ステレオなんかに加工されてしまう前の「生」の音です。
おんボロの車でハイ・ウェイを時速100マイルで疾走するような原文のスピード感ある文体を生かした邦訳も良く、一気に読めます。あとは読んだそれぞれがこのメッセージをどう受け取るか。それだけ。