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地獄のドバイ―高級リゾート地で見た悪夢

価格: ¥620
カテゴリ: 文庫
ブランド: 彩図社
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バブルと虚飾、そして拘置所。UAEのもう一つの顔 ★★★☆☆
 世界的な投資バブルが終わりに近づく2007年、急速な経済成長で注目されていたアラブ首長国連邦(UAE)・ドバイに寿司職人としての成功を目指して渡った著者が、その地での悪夢のような体験をまとめた本である。 
 寿司職人の夢は結局叶わず、著者は現地の肥料会社に就職する。バブルに沸くドバイの街とそれを陰で支える外国人労働者の悲惨な生活。一方で雇い主の成金思考や長期展望のなさに呆れる中、ある日突然に会社は閉鎖。職を失った外国人は就労ビザを持っていても犯罪者扱いで刑務所送りとなる! なんとか帰国の手続きを済ませ、アブダビ空港から日本に向かうはずが、何かの手違いでアブダビ中央拘置所に送られてしまう著者。同房のパキスタン人のテレフォンカードを奪って日本大使館に連絡を取り、釈放はされたものの、処分は滞在法違反での強制送還、パスポートには2度とUAEに入国できない旨のスタンプが押されてしまう。
 あまりの不条理な体験に読んでいて唖然とさせられるが、一方で単純にドバイ・UAEだけの問題として片付けられない部分も多い。有り余るカネが社会の基盤を整備する方向に向かわず、マネーゲームや虚飾的なハコモノ建設、成金的な「希少価値」の買い漁りに費やされる姿はバブル時代の日本と重なるし、貧しい国からの出稼ぎ労働者を最低賃金以下の劣悪な待遇でこき使った挙げ句、用済みになれば放り出して「不法滞在者」にしてしまうシステムは、程度の差こそあれ多くの先進諸国にも共通する問題のように思う。
 全体に話は断片的で、内容は決して濃いとは言えないが、著者自身の見聞に基づいた記述は詳細で生々しい。特に第2部のアブダビ中央拘置所での体験談は貴重な証言だろう。経済ばかりが語られがちなUAEのもう一つの顔、そしておそらく他の産油国にも共通する問題を教えてくれる1冊として、星1つほど上乗せして3つ星の評価とした。
地獄のアブダビ刑務所体験記 ★★★☆☆
すでにいろいろな方からのご指摘があるとおり、
「地獄のドバイ」というタイトルは、内容とは違ったものになっています。
ドバイのことを知ろうという方には、お勧めできません。

内容は、前半が、地獄とは、決して言いがたいドバイでの求職日記と、その後のアブダビ首長国、アルアインでの就職について。

後半が、アブダビ刑務所での4日間の体験記。

本来なら、「地獄のアブダビ刑務所体験記」というタイトルの方が内容を正しく反映していると思います。

後半は、実体験をもとに、地獄の刑務所体験記が書いてあるので、アブダビの刑務所での生活を垣間見て見たい人には、絶好の本だと思います。

残念なことは、なぜ彼が刑務所に入ることになってしまったかについての詳しい後日談がないことです。是非アブダビに法律などを調べて、どうしてこのような結果になったのかについても書いてほしかったです。

ということで、星 みっつ〜〜〜〜!
色々な側面 ★★★★★
仕事でドバイに行くことになって参考に読んでみました。
ためになるかならないか、ということより、こんな事実もあったのだなあ、と特殊な体験談として興味深く読めました。
実際ドバイのことより刑務所のないようが多かったかともは思いますので、ドバイの情報だけ知りたかったという読者には不評かもしれません。が、それもご愛敬。
おもしろかったです。
この本はアブダビについてのお話です。 ★★☆☆☆
他の方のレビューにあるように、この本はアブダビ首長国でのお話です。

日本では知られていないドバイの側面、ドバイの裏を見させていただいた、とレビューを書かれている方々がいらっしゃいますが、完全な誤解です。
ドバイで就職活動はしたものの、仕事を見つけたのはアブダビ首長国のアルアイン、拘置所に入ることになったのもアブダビ首長国での出来事です。

この内容に対してドバイを前面に押し出すタイトルと帯の売り文句。本書の性格を表しているのではないでしょうか。

ドバイについて正しく知りたい方にはこの本はお薦めできません。中東全般について興味のある方、中東で拘置所に入るはめになると何が起こりうるか興味のある方は購入されてもよいと思います。

本書の内容にはいくつか、深刻なものも含め、事実誤認がありますので触れておきます。

著者はまえがきを含め何箇所かで、3年にわたる労働ビザと居住許可証を持っていたにもかかわらず拘置所に放り込まれたと不当な扱いを受けたかのように主張されていますが、これは現地法制に対する無知によるものです。UAEでは「雇用=ビザ」です。解雇されればビザもキャンセルされます。従って筆者のように勤務先の会社が消滅し、無職となった時点でビザもキャンセルされるはずです。とりあえずUAEのビザを手に入れたら今の会社を辞めてもっといい勤め先を腰を落ち着けて探そうという人間を排除したいという政策目的かもしれませんが、それに対して外国人が文句を言っても始まりません。ただ、通常であればビザがキャンセルされた後、各種手続きを済ませて出国するまでに30日の猶予期間はもらえるはずですので、筆者がその期間経過以前に拘置所に入れられることになったのであれば、アブダビの行政機関に何らかのミスがあったのかもしれず、筆者には不運だったというしかありませんが。こうした制度については帰国してから出版するまでにいくらでも調べられると思うのですが、なぜ筆者も出版社も調べないのでしょうか。

また、この国にはまともな本屋がない、大型スーパーに併設の本屋コーナーしかないと書かれていますが、実際にはどのショッピングモールにも日本の大型書店に負けない広さの大型の書店が入っており、英文が苦にならない方であれば小説、芸術、ビジネス、クッキング、スポーツ雑誌等、読む本に不自由はしません。(参考までに、筆者がアブダビを離れた後には、ドバイに紀伊国屋書店が出店し、日本の書籍が手に入るようになりました。)

また、ジャンプやサンデーのような漫画雑誌、FLASHやプレイボーイのように水着のお姉さんが載っている大衆雑誌がほしかったと書かれていますが、水着どころか裸のお姉さんが載っていかねないFLASHやプレイボーイがイスラム教国のUAEに輸入できるはずがありません。

現地の法制、習慣に対する無知が散見され、正確な情報を得たい方は購入されないほうがよいと思います。話半分、何となく面白ければよいのであれば購入されても構わないでしょう。
外国人労働者を劣悪に扱う、湾岸アラブ諸国の負の一面 ★★★★★
湾岸アラブ諸国のように、石油などで富が急激に流れ込んだ国々では、往々にして問題が生じます。本書の舞台となるUAEの中でも、政治的、経済的に主導的な役割を持つアブダビやドバイはその典型ですが、石油によって働く意欲が希薄となった国民に代わり、外国人労働者が経済の重要な担い手となっています。本書は湾岸アラブ諸国で共通する、国民と外国人労働者のギャップ、外国人労働者の劣悪な状況を垣間見る事ができます。
 ビルや土地の転売によって物件上昇率が30〜50%にも及び、車のナンバープレート購入に何億円もつぎ込む成金たちがいる一方で、若者たちには働く意欲がないのは、UAEや湾岸アラブ諸国の国民に共通して見られる傾向として、既に広く知られています。しかしその一方で、彼らの贅沢極まりない経済を支える上で、外国人労働者がどれだけ劣悪な状況に置かれているのかは、あまり注目されません。その象徴として最も許し難いのはやはり、スポンサーシップが切られた外国人労働者の拘置所送りと、人間を家畜同然に扱う拘置所の実態でしょう。本著者は日本人としては珍しくこの拘置所に送られた経験を持ちますが、著者がこのような目に遭ったのは、著者の属していた会社が、UAE国民による出資を51%以上必要とするLLCという形態を取ったためである事が、本書から分かります。逆に日本の企業の多くが100%外国人出資の形態を持つため、日本人が拘置所送りになる事は少ない事実が、この問題がとりわけ日本で注目されにくい一因だと言えます。
 国の経済を支える外国人労働者を、オーナーの気分1つで拘置所に送り込み、家畜同然に扱う湾岸アラブ諸国の体質は、極めて非人道的で反文明的だと言わざるを得ません。それでもUAEは経済大国として注目されている訳ですが、日本の価値観では考えられない事がまかり通っている、湾岸アラブ諸国の負の一面を、本書から垣間見る事ができます。