アメリカン・ポップスには「アンサー・ソング」というジャンルがあった。あるヒット曲の歌詞を加工して、新たなポップスを作り、2匹目のドジョウを狙うという趣向だった。
このCD「Johnny got angry」は、そうした伝統を引き継ぐもので、ジョニー・ソマーズ自身の最大ヒット曲である「Johnny get angry」(1963)の”後日談”を唱ったものである。歌詞の内容については、ここでは内緒にしておこう。2000年にロスで録音されているので、実に37年を経た「アンサー・ソング」となる。
このCD所収の全12曲のすべてが、60年代ポップのアンサー・ソングとなっている。例えば、「Doctor No」はジェームス・ボンドへの、「I'm glad you want to hold my hand」はザ・ビートルズへのそれである。アンサー・ソングというより、むしろ「パロディ」と言うべきかも知れないが…。
「That's what I'm teiin' you」は、日本語で唱われている。「素敵なメモリー」を思い出させてくれる、ファンにとっては嬉しい1曲である。
幸いなことに、ジョニーの歌声は、全く衰えていない。さすが、往時からクラブ歌手として活躍していただけあって、実力派であることが分かる。
ジョニー・ソマーズ・ファンには待望の1枚!!