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渡辺一夫 敗戦日記

価格: ¥3,670
カテゴリ: 単行本
ブランド: 博文館新社
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実に良い本。 ★★★★★
百年に一度と言われる不況下、「文学や歴史学を勉強しています。」などと自己紹介するにつけ、返答から、「この大変なときに、なんとまあ、結構なご身分ですね…」といった、非難めいたモノを感じることがつとに多くなりました。

「環境に良いわけでもない。病気を治すわけでもない。景気を刺激するわけでもない。つまり、意味が無い。」

そんな、実利実益最優先の寂しいご時勢だからこそ、僕は、本書『敗戦日記』の価値の重さを改めて感じるのです。「意味が無い」文学を、堂々と、心の底から信じ抜き、高らかに擁護した渡辺一夫先生の偉大さを改めて感じるのです。

先生は、あの圧倒的な狂気の時代に、どこまでも文学を愛し、それゆえに、「理性」を信じ、「人」を信じておられた。

「負けてはならない。さう思う。己の精神・思想に生きつくすのだ。死は恐ろしい。しかし、己の思想が敗れて死ぬのではなく、勝つのならば死も欣ばしい。必ず勝つ。一日一日の情勢がこれを教へてくれる。決して情報局製の必勝の信念ではない。勝つものは勝つといふ現実の教へる確信だ。妻子に別れるのはつらい。しかし、これは思想の為に生き且つ死ぬ人間の忍ばねばならぬことだ。Rolland〔ロマン・ロラン〕のことばを想起せよ。封建的なもの、狂信的なもの、chauvinisme〔排外主義〕は、皆敗ける。自然の、人類の理法は必ず勝つ。Vive l'humanite.〔人類の栄えんことを〕(本書p.49)」

「ユマニスムなるものは、たとえそれがいかに「甘く」且つ「無力」でありましょうとも、苟も学問や思想に生きようと志した人間は、飽くまでこれを護らねばならぬものと考えますが、それでよろしいのでしょうか?(本書p.162)」

極限下にあって、「意味が無い」文学の価値を信じた一人の男。

その強靭な理性のモノローグたるこの『敗戦日記』は、今「百年に一度の不況」の直中を生きる我々にも、きっと何かを伝えてくれるだろうと思います。

そして、きっとその「何か」は、人類の生活の質を目に見えて物質的に向上させるものでは無いにしろ、少なくとも、力強く前を向いて生きて行く為の心の糧になるだろうと思います。
今こそ読んで欲しい。 ★★★★★
威勢のいい愛国論がまかり通る今の世の中、是非読んで欲しい。
前回の大戦、どれだけ愛国心に埋もれて世界の中の日本と言う視点を失っていたか、その一端を感じることが出来ると思います。
読んでください。 ★★★★★
この人の文章を、母国語として読めるんだから日本人で良かった、とまで、思っちゃいました。(そのわりには、著作に絶版や再版予定無しが多いんですが。なんとかしてください。→出版者の方々)この本が、絶版じゃないのはあなたが読むためです。ほんとに。