手塚治虫氏自身への批判もようやくぽつぽつ出てくるようになって、賛美だけでないより人間的な手塚像が知られるようになり、同じ作品を見ても、彼の世界がより親しみを持って多面的に見ることが出来るようになったのはラッキーだと思う。
このシリーズはかなり忠実に部分的には時代遅れな部分まで、手塚のオリジナルアイデアにこだわる秀作で、もし手塚が生きていて、近年のSFXを駆使した映画を見てアトムをもう一度書いたらどんなに凄いものが出来たんだろうと想像させられた。
この作品には、こんな風に時々、意外なタレントさんや大物声優(俳優)さんが、これまた意外な役どころでご出演なさることがしばしばあります。どの場合もみんな、その出演自体が物語の奥行きを深める働きを担っているようで、いつもいつも感動させられまくりです。
ときどき小ネタとして挟み込まれている手塚キャラも、ご自身の作品のセルフカバーも、ファン(小中和哉氏の)にとっては、心憎く感じ、思わず口角が上がります。