都内の大手中古ＣＤショップでは近頃、エディ･テイラーの「ライブ・イン・ジャパン1977」をよく店頭で見掛けるが、それはこの二枚組拡大版がリリースされたからであろう。
「デラックス･エディション」というＣＤ商品は、ロック・ジャズ・ソウル・ブルースとジャンルを問わず、長年聴き継がれているアルバムに同時期の音源を倍以上追加して二枚組にして発売しているもので、ジェイムス･ブラウン、マーヴィン・ゲイ、ボブ･マーリー、マイルス・ディヴィス等の多くの名盤が近年デラックス化されており、ブルースでも「マディ・ミシシッピ・ウォーターズ・ライブ」が出されている。長年その作品を愛聴している者からすればどうしても聴いてみたいあの時代の未知の作品、しかしすでに所有している音源を再び丸々購入せねばならないデメリットも。未発表ブツだけをまとめて別売りしてもらいたいところだが、そんな都合の良いものではないのだろう。
　さて、本2CDはそんな「DX エディション」で収録曲32の内19が今回初お目見え。二日間のライブをディスク１と２でそれぞれ実際のステージに近い形でまとめているらしい。どちらのディスクも1曲目はインスト、2.3.がデイブ･マイヤース（b）、4.5.がオディ･ペイン（ds）、6.7.8.とディスク２の17.はルイス･マイヤース（g,hca）が歌い、Off The WallとHideawayは勿論インスト、残りがエディがボーカルをという内訳。詳しいことは、いつも的確で情報タップリの小出斉氏のライナー文を参照してください。シカゴ･ブルース・ファン、既発のＣＤを愛するリスナーは手に入れずにはいれないだろう、色んな曲の追加収録。様々な問題はあっただろうが、この貴重なライブ音源を聴ける喜びは大きい。今度は同じく70年代後半に来日した他の多くのブルースマン（ジョージ･スミスやジョン・リトルジョンや）の未発表作品も、「デラックス」ではない形でまとめてディスク化してもらえたらと日本の一ブルース好きとして思うのでした。