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脳男 (講談社文庫)

価格: ¥620
カテゴリ: 文庫
ブランド: 講談社
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娯楽として十分楽しめます。 ★★★☆☆
コンセプトが素晴しいと思いました。

ただし、周辺情報というか設定に荒削りな部分があり、登場人物を活かしきれていない気もしつつ。

とはいえど、長編小説でもないし、展開はそこそこ速めなので逃げ切り勝利という印象です。

続編が出ているのですね(今知りました)。
読み応えアリの内容を期待します。
続編ありの前提で ★★★★☆
テンポのいい序盤の展開。
第7章の叙述が印象的。
主人公の設定は江戸川乱歩賞にふさわしい。
どちらが古いかわからないが、先に読んだ「無痛」(久坂部 羊 著)がすぐに浮かんだ。

実際に続編があることは読み終えてから知ったが、そう思えば終わり方も納得できるし、
作者もそのつもりだったのだろう。

伏線の回収不足 ★★★★☆
前半の素晴らしさとエンディング付近の残念さのミスマッチは他の方の言われている通りですが、そうなってしまった原因を一言でいうと「伏線が回収しきれてない」じゃないですかね。

例えば登場人物の多くに、たとえば怪異な容姿の医師藍沢とか、両手首のない元ヤクザとか、生きながら腐る難病の国会議員とか、冬山から降りてこない登山家とか、贅沢なばかりのキャラクター的魅力が詰め込まれているのに、その多くがワンシーンのみの登場に終わり、キャラ設定が使い捨てに終わってしまうこと。

ぎゃくに個性的なキャラ設定が過不足なく使い切られたのは、茶屋警部の巨体と、鷲尾女医の経歴くらいではなかったでしょうか。鈴木や緑川はいうまでもなく、空身医師や黒田刑事もあっけない感じがいなめず、要するに消化不良なのです。

あれだけの設定を活かしきるには、今の倍くらいページ数が必要ですし、逆にページ数制限から逆算すると、設定を半分くらいに絞り込むべき。前半に広げた風呂敷を畳みきれない状況に陥っています。まさに「惜しい」というほかありません。
新しいヒーロー(またはヒール) ★★★★☆
感情がない。痛みを感じない。体のすみずみまで完璧にコントロールできる。一度見たものは忘れない。どんな知識もすぐに身につけることができる。超人。
そんな存在が脳男だ。

精神科医の真梨子と物腰は紳士的だが、人間らしさを感じさせない脳男・鈴木。この関係は、「羊たちの沈黙」のクラリスとレクター博士の関係を彷彿とさせる。

脳男・鈴木はどのようにして生まれたのか。そして感情のない彼を動かすものは何か。悪を、ためらいなく、淡々と殺していく脳男はヒーローなのか、怪物なのか。設定がうまいので、「このような存在もありえるかも」と思えてしまいます。

正義とも悪とも違う存在・脳男。続編も出ているので今後の活躍が楽しみです。
サスペンス性よりも、その病気について興味が沸いた。 ★★★★☆
感情を持たないという病気、というか精神状態。
実在する病気です。
感情を持つということは、感情というバイアスによって物事を判断するということ。だから無駄なことは覚えないし、嫌なことはやらない。
この小説では、感情を持たない人物が主人公として登場します。
感情を持たないということはどういうことなのか、自分に当てはめて読んでいくと、結構感情移入できました。