買いですが・・・。
★★★☆☆
文学賞を軸にさまざまな作品と作家が紹介されます。なかにはついぞ縁のなかった作家や、忘却の彼方にひっそりとしまい込んでいた作品もあり、何冊かは本棚の奥からひっぱり出してきたりもしました。ただ自分には本書まるごとはヴォリュームがありすぎて、途中からすこし食傷してしまったように思います。するどい切れ味(というより、ある種の話芸のように思いますが)は楽しめるものの、雑誌の連載時にすこしずつ読みたかったです。
文学賞≒出版界の「生活保障」
★★★★☆
一般人にはあまり馴染みのない、日本にある数々の
文学賞の仕組みと実態を、対談形式で解説したもの。
多くの文学賞が、結局は作家やギョーカイ(出版社、評論家、ライター……)の
「生活保障」のために存在し、かならずしも作品本位で選ばれるわけではない、
ということが再確認できました。
また、本書では大作家のお歴々が選考作品に寄せる評言(妄言、暴言、珍言)に
ツッコミを入れ、「嗤い」にしているのも読みどころのひとつ。
個人的には、どの作家先生よりも、久米宏がふるってました。
「ニュースステーション」に桐野夏生がゲスト出演した際、『OUT』のネタばらしををしたばかりか、
「普段ボクは女性作家の小説は読まないけど、あなたは美人なので読みました」といった主旨の
発言をする始末w
いやはや、昭和の司会者というのは、結構下世話で、デリカシーがなかったのかもしれませんね。
(今だと、み○も○たぐらいしか、このテイストはだせないでしょうなー)
知られざる文学賞の実態とトンデモ大作家たち
★★★★☆
一般人にはあまり馴染みのない、日本にある数々の
文学賞の仕組みと実態を、対談形式で解説したもの。
多くの文学賞が、結局は作家やギョーカイ(出版社、評論家、ライター……)の
「生活保障」のために存在し、かならずしも作品本位で選ばれるわけではない、
ということが再確認できました。
また、本書では大作家のお歴々が選考作品に寄せる評言(妄言、暴言、珍言)に
ツッコミを入れ、「嗤い」にしているのも読みどころのひとつ。
個人的には、どの作家先生よりも、久米宏がふるってました。
「ニュースステーション」に桐野夏生がゲスト出演した際、『OUT』のネタばらしををしたばかりか、
「普段ボクは女性作家の小説は読まないけど、あなたは美人なので読みました」といった主旨の
発言をする始末w
いやはや、昭和の司会者というのは、結構下世話で、デリカシーがなかったのかもしれませんね。
(今だと、み○も○たぐらいしか、このテイストはだせないでしょうなー)
ブックガイドならぬ文学賞ガイド
★★★★★
切り口が斬新で、実に興味深く読んだ。世の中に書評は数多あれど、文学賞とその選考委員に焦点を当てたものは存在しなかった。
毒舌書評でおなじみの豊崎由美は、ベテラン作家であっても間違っていると思えばバッサバッサと斬りまくり、豊崎の不得意なエンタメ分野は大森望ががっちりカバーする。この2人の役割分担がきっちりできているのがいい。
また、普段耳にすることの多い直木賞や芥川賞のほか、地方主催のものも含めれば星の数ほどもある文学賞を一通り紹介しているのもポイントが高い。その中には海外の文学賞、ライトノベルのそれまで含まれている。私も本は好きな方だが、この2人の驚異的な読書量には脱帽した。
自らについて語らない
★★★★☆
宇宙のはじまりから、アリの生態まで、メディアは実に多くのことを語る。
だけど、メディアは、自分のことについて多くを語らない。
メディア関係者が、自分のところの不祥事については、知っているけど見て見ぬふりをしてきた、なんて内実はよくある話。
その点、この本はなかなかにさらけ出しておもしろい。
そもそもが不透明な見えにくい世界なのだ。
公正さなんて考えない、個人のいち意見であることは理解しているが、それでも「へえ」と笑えるところがたくさんある。
現代文壇にいる作家と作品の名前を知ることができるだけでも、この本は読んでよかった。
本書に書かれていることに対する諸意見、反論は腐るほどあるだろう。
だけど、もともと情報が少ない世界なのだから、そこらへんは自分の中で噛み砕いた上で、楽しく読めばいいと思う。
一言いうならば、やはり例にもれず、著者らは自分の仕事については語らない。
彼らの意見をどう受け止めるかは、読む人の判断におまかせ、というところだろう。