何か腹へった
★★★★☆
これは食べ物のエッセイである。言われなくてもわかってるって?
私はエッセイ好きである。その作家の人となりがわかるような気がするからだ。
しかしエッセイというのは内容をすぐ忘れてしまうものだ(ぼくだけ?)
良いエッセイとはそういうものなのか?
この本も2,3ヶ月前に読んだばかりなのに内容を忘れている。(レビュー書くな!)
パラパラめくってみる。んっ。やっぱり面白い!
エッセイが好き、食べることが好き、島田雅彦がちょっと好き、という方読むべし!?
食い物への執着
★★★★☆
2004年に単行本として出たものの文庫化。
前半は半年ほどの食事日記。日々、食べたものが克明に描かれていく。家での食事、旅先での食事、パーティの食べ物。まあ、美味しくないものに当たることも多く、各所で怒りを爆発させている。
後半は食べ物エッセイ。沖縄篇、魚篇が特に面白かった。
美食エッセイではなく、日常エッセイの延長のようなもの。島田氏の生活をのぞき込むことが出来る。そのわがままさと怒りが面白い。
どこにも「恨み」なんてありません
★★★★☆
「恨み」ではなく、おいしい食べ物への執着心がすごいと感じました。
前半は日記風に普段の食生活を描き、学生食堂を含めた「雑食」性を示しています。後半は様々な料理に関する著者のこだわりをエッセイにしています。でも焼き肉ならロースとバラで満腹になる私の胃袋ではついていけません。
他人の料理を味わうだけでなく、自分でも料理される著者の記述には、「へぇ、そうなんだ」と感じ入るところもありました。できれば索引をつけてくれていたら、その料理を味わう時に参考にしやすいのにと感じました。
本当に食い物の恨みは怖いです
★★★★★
食べる事と寝る事は飽きないといわれています。戦争などの飢餓状態は、
何時敵が攻めてくるかわからないのでゆっくり寝る事ができない状態、自分
が普段食べているものを食べられない状態などにおかれると人間は非常に
不安になるそうです。
おいしいものを食べる事は難しいですね。
おいしい焼き魚が食べたい、美味しい煮ものが食べたい、美味しいお酒が
飲みたい。最近は難しくなって来ています。個室の小洒落た居酒屋では、カル
パッチョとか、スモークサーモンとか、マヨネーズを綺麗にかけたサラダは得意
ですが、美味しい酢の物で一杯飲んで、焼き魚と煮もので飲み続けるのは難し
いですね。
寝る事、食べる事が大好きな人にお勧めの一冊です。
味わうこと
★★★★★
今まで島田雅彦というと俗世界から離れたイメージがあった。私だけかもしれないが。ここではまったく気取ることなく、さまざまな物を食べることにより食は精神や肉体と密接に関係していることを感じる。食べる瞬間そのものを著者がとても愛しんでいると思った。そんな幸せな本だと思う。