「壬申の乱」はその後の数百年の日本の歴史を動かすエネルギーとなったと言われている古代の一大事件である。本書はこの顛末を天智天皇、(後の)天武天皇、藤原鎌足の3人の登場人物に絞って描いたもの。戦闘自身はアッという間に終ってしまうので、そこに至る過程を描いたものである。大友皇子は顔を出さない。

主人公は天武である。天武は広い度量、寛容、忍耐、策謀に秀でた男として描かれる。一方、天智は老境の秀吉を思わせるかのように、猜疑、偏狭、峻烈な男として描かれる。全く対照的で、天武が後継者になる事は自明だった事を強く示唆する。また、鎌足は既に老境にあるが、相変わらず日本随一の智恵者として描かれ、天武も一目を置き、二人の間には交流があった事も記す。更に謎に満ちた天武の出自として新羅の皇族の子孫とし、父との出会いの場面も用意する。天武の出自に関しては、それだけで一冊の本が書ける程で、作者は新羅皇族説を選んだ訳だ。

「壬申の乱」が天武vs大友皇子の戦いだったのではなく、天智vs天武の兄弟(かどうかは疑わしいが)の確執だった事を想像力豊かに描き出した歴史絵巻。

壬ç"³ã®ä¹±ã«ã¤ã„ては、学ç"Ÿæ™‚代のæ­'史の授業では『ç-...é­"にå†'された天智天皇が後継è€...とã-て大海人皇子ã‚'その枕å...ƒã«å'¼ã³å¯„せ、天皇とã-ての即位ã‚'懇願ã-たとã"ろ、皇子はそれã‚'æ‹'否、天皇の快ç™'ã‚'祈り仏é-€ã«å...¥ã‚‹ã€‚ã-かã-、天皇亡き後、本来なら天皇になれる身分ではない出自の大友皇子が、大海人の存在ã‚'è„...威とã-、ã"れã‚'亡きè€...にã-ようとする。正å½"な皇位継承è€...である大海人は、身の危険ã‚'感じ、やむã‚'えず挙å...µã€‚大友ã‚'å€'ã-、天武天皇とã-て即位する』－。

ã"の大乱は、皇位継承権のない大友が皇位継承ã-たために起ã"ったもの、とずっと教えられてきたã"とだã-、現在もそれが史実とã-て伝えられている。ã-かã-、ã"の『常識』ã‚'鮮やかな手口で、ã-かもなるほどç'å¾-ができる理ç"±ã§ã€Žç§èª¬ã€ã¨ã-て史実とはまっã!Ÿ!く逆の観点からそのæ­'史の真実ã‚'説いている。

同氏のè'-作『隠された帝』では、その根拠と裏づã'ã‚'ç'¹ä»‹ã-ている。ぜひ、一ç·'に購読されるã"とã‚'おすすめã-ます。