細かく分野ごとにまとめてあって、辞書のような本という印象を受けました。トケイヤー氏の訳もされてることもあって、とても詳しく学ぶことができました。

古代日本神道には創造を絶する世界性があり、ローマとエルサレムと東京は一本に繋がっていることが実感できる一冊です。神道教を宗旨とする世襲君主国家の日本の聖徳皇太子が積極的にインド仏教を受容したというストーリーに虚偽があることが明解になりました。最近の比較宗教学の研究成果からいっても旧約聖書の方が仏教よりもずっと古いことは明らかです。古代神道、古事記、旧約聖書、古代中近東（イスラエル）はシルクロードを通じて密接に影響しあって日本古代史を形成してきたということが無理なく理解できます。本書を読了することで明治維新期の廃仏希釈と神道回帰は当然の帰結だと納得できたことは望外の喜びでした。日本人は神道・古事記とその背後にある旧約聖書によって西洋と直接かつ連綿と繋がっているのです。日本人の脱亜入欧思想はただの白人崇拝ではなく、日本民族の根本原理そのものなのです。本書は仏教、中国、朝鮮等の不純物質をろ過して日本人を見事に蒸留してくれました。

日ユ文化の歴史書籍が出る度に、これでもかと言えるほど、内容が充実してきている。
しかし、決定打に欠ける。
イスラエルのアミシャーブも日本に期待するもののイスラエル人・ユダヤ人が渡来した痕跡を認めているが、やはり何か日本人の血脈に確信が持てないでいる様に思える。
日本は、海洋民族であり、農耕民族とも言われ最近では、騎馬民族も加わり日本列島が海で隔離されているにも係わらず複雑な民族で、一筋縄では行かない。
歴史的に九州を見ても縄文人・天孫民族・弥生人・倭人・秦人・百濟人・隼人族・熊襲・アイヌと言った人々が登場しておりどのように収斂していくのかまとまっていない状態です。
だが、神社は日本の津々浦々にあり民族としての統一性を感じるのである。
これほどのユダヤ的密度を持った民族は他には居ないだろう。
渡来民族は、確信的に日本を目指したかの様にも感じる。ユダヤ人は、情報の民でもあるから本当の歴史はもっとダイナミックなのかもしれない。