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On the Threshold of a Dream (Reis)

価格: ¥1,155
カテゴリ: CD
ブランド: Polydor / Umgd
Amazon.co.jpで確認
Never Comes the Day... ★★★★★
ムーディー・ブルースが1969年にリリースした4作目。邦題は『夢幻』。かつてジミー・ペイジは「真にプログレッシヴなのはピンク・フロイド
とムーディー・ブルースだけだ・・・」と語ったと言われるが、その意図するところは個人的には判るような気がする。ジャズやクラシックの
要素を取り入れ昇華した多くのプログレバンドは往々に帰納法的な存在と謂えるが、突き詰めたときにピンク・フロイドやムーディー・ブルース
は演繹法的な存在だ。両者に共通する独自の恍惚感・浮遊感の基となるのはやはりブリティッシュ・ロックのもつ本質的な要素だろう。その
ポップさを極度に突き詰めた先にある非現実的な程の牧歌性と、叙情的な旋律を突き詰めた先にある電子楽器を駆使した立体的な音響構築、そし
てその両方を共存させる為の橋渡し的なコーラスの妙があるのも雰囲気的に似ている。そこで初めてプカプカ浮くような精神的な音楽になるの
だろう。プログレの概念は人によって違うだろうが、英国産だけじゃなく他の国のプログレも聴き漁れば漁るほど、最終的に返ってくる場所は
キング・クリムゾンの『レッド』までの作品全てだろう(フリップはプログレのレッテルを嫌っていた所が皮肉だが、、、)。だが、やはり
それは包括的なものであり帰納法的だ。だから真に前衛的な作品を創った場合それはあまり評価自体されないものなのかもしれない。そうゆう
意味ではこのバンドはその立ち位置にあまりにピッタリ当て嵌まる。。

さて、長くなりましたが(笑)、本作の内容はというと前作の『失われたコードを求めて』から挑戦し始めた電子楽器をフィーチャーした手法を
さらに格段に進化させていて素晴らしい完成度を誇っています。まず何より構成面が素晴らしく流れるように聴けるのが妙だ。
そしてソングライティングの面でジャスティン・ヘイワードに押されていたマイク・ピンダーとレイ・トーマスの才能がここで一気に開花し
弾けた感があるんですねぇ(特にピンダー)。それはレイ・トーマスの手による[3]の「Dear Diary」や[8]の「Lazy Day」で魅せるアダルト且つ
ミステリアスな展開と、奇妙な恍惚感。それを支える独自のフルート演奏を聴けば判るだろう。ピンダーの方は言うまでもなくアルバムラストを
飾る3曲の流れがあまりに完成されている所から窺えます。
だが個人的に本作最大のハイライトは「Never Comes the Day」だ。何だろう...思うにヘイワードの呟くような歌声から始まり漸次的に音量が
上がっていく中、たゆやかに響くピンダーのメロトロン、トーマスのハーモニカ、そしてコーラスの美しさと比率が完璧すぎるんだな。。
ムーディー・ブルースで一番好きな楽曲を選ぶなら僕はこれだ。なんかこう涙が出てくんのよネ。。

最後にもう一つ、ムーディー・ブルースといえばジャケットデザインも特徴的なものが多いが、このジャケは中身と見事にリンクしていると思い
ますね。相容れない不思議なモヤモヤ感が何かしっくりリンクしている。興味ある方は是非ご一聴を。
永久に循環するアルバム ★★★★★
 宇宙空間を漂う不思議な器械のような物体。Moody Bluesはアルバムジャケットにもこだわりを持ったミュージシャンの嚆矢であろう。彼らの実験的な姿勢はこのアルバムでも様々なアイデアに結実している。CDではわからないが、アナログレコードではB面の最も内側にまで音を入れ、レコード針を上げない限り音がずっと続くようにした。Days of Future Passedで「循環する」アルバム=トータル・アルバムづくりを始めた彼等ならではのアイデアである。
 サイケ調の前作に比べ、ここでのサウンドはより優しい。冒頭は不思議な宇宙音で、メロトロンが盛り上がり、デカルトをパロディした語りが始まる。ライブでもおなじみの印象的なギターのイントロをもつLovely to See Youを始め、前半は幾分小粒なナンバーが並んでいるが、最も彼等らしいのは後半のメドレーである。Are You Sitting Comfortably?はファンタジーの世界を歌い、彼等の全作品のなかでも指折りの、静かな美しさを持つ名曲である。とりわけ中間部のフルートソロの神韻縹渺たる響きはどうか。それに続くThe Dreamは荘重かつ幻想的な詩の朗読であり、Mike Pinderの味わい深い佳作Have You Heardがメロトロンが壮大に広がるインストメンタル・ナンバーのThe Voyageを挟む2パートで演奏され、冒頭の宇宙音に戻るのである。
 既にアメリカ上陸を果たしていた彼等は、このアルバムで新大陸での人気を確固たるものとし、本国イギリスではアルバムチャートを制覇する。シングルヒットでなくアルバム全体で勝負するバンドとして特異な位置を占めたのだ。
ソフト・ロック/60年代ブリット・ポップの名作、 ★★★★★
1969年4月イギリス発売、バンドとしての第4作、ジャスティン・ヘイワード加入後の第3作、イギリス・チャートで初めて1位になったヒット作だがファンの認知度も人気度も低い地味な作品、ムーディーズのアルバム中で唯一イギリスの音楽雑誌NMEかMMの年間ベスト・アルバムにも選ばれた作品であることは記憶すべき事柄、

トートル・アルバムとしてのアイデアは実は本作で完成されているとおもう、ただし全体的に地味な印象を受けるからだろう、後続のアルバムのほうが人気が高い、メロトロン多用とオーケストラとの共演などの印象からいわゆる”プログレシッブ・ロック”の範疇に括られてしまうことが多いムーディー・ブルースだが、プログレという先入観なしに聞く本作はまさに60年代ブリティッシュ・ポップそのもの、ソフト・ロックの名盤として再評価したほうが良いと考えます、

LPではB面だったT7-T13のメドレーは少々バラエティ度で劣りはするがビートルズ/アビーロードB面に匹敵する仕上がりでしょう、

なお、このCDはデジタル・リマスタリングされていて特にベース・アコースティックギターはよく聞こえますが、残念ながら音圧が小さいので特に前半が少々物足りない印象をうけます(ここだけボリュームを上げたくなる)、

リーフレットにメンバー各位のコメント・インタビューあり、本作がとても自信作だったことが語られています、ジャスティンの言によればアメリカにおけるクリーム解散ツアーの前座はムーディーズだったのだそうです、ムーディーズとクリームを一晩で見られるとはなんて幸福な時代だったのでしょう、
最新リマスター、SACDハイブリッド、5.1 Surround ★★★★☆
元々ブルースロックバンドだったMoody Bluesが、プログレ路線で再出発し、半年後に発売された1枚目のDays Of Future Passedから5枚目のA Question Of Balanceまでが、この度SACDハイブリッド化された。まずEU盤のみでの発売なので、すぐに欲しい日米のファンはとりあえず要輸入。5枚のアルバムのうち、1枚目と2枚目及び4枚目が、Disc2枚のDeluxe Editonであり、いずれもDisc 1がボーナスなしのSACDハイブリッド仕様で、Disc 2が通常のCD仕様のボーナスディスクとなっている。一方、この3枚目と5枚目のアルバムは、ボーナストラックつきのDisc1枚で構成され、SACDハイブリッド仕様である。
このOn The Threshold Of A Dream(当時の邦題「夢幻」)と5枚目がDeluxe使用にならなかったのは、単に、この時期にフィットするボーナストラックを含めて80分に満たなかったからである。ボーナス以外については、Stereo mixのリマスタリングには、Justin Haywardも立ち会っている。さらに、SACD部には1972年に一連作のProducerであるTony Clarkが作成した4チャンネル用のミックスをもとにマニピュレートされた、5.1 Surround Soundも加わっている。ボーナスは、別バージョンとアウトテイクの5曲とBBCラジオセッションからの4曲で構成されている。一見興味深いのは、アルバムで2つに分断されているHave You Heardのオリジナルテイク#17ですが、一度聞けば、始めから分断することを意図して録音されていたことが分かり、ちょっとがっかり...
他の4枚よりもボーナスに聴きどころが乏しい気はしますが、1997年リマスター盤やMFSL盤より、音圧が増し、音がより鮮明になった気がします。いずれにしても、コアなファンには外せない一品です。
その当時、日本盤は発売されていませんでした。 ★★★★★
 「サテンの夜」は別格として、1971年頃に日本でムーディーブルースがブレイクしたのは「童夢」からだったと思います。そしてその当時この「夢幻」は何と日本盤が発売されておりませんでした。
 私はLPを探し回りました。ようやく輸入盤を見つけたときの嬉しさといったら、ここでは表現のしようがないくらい凄かったことを覚えております。今ほど輸入盤がふんだんに有る状況ではありませんし、もちろんインターネットなんて影も形も無い時代でしたから。
 でもそれからしばらくすると正式に日本盤が発売されたのですけれどね。(笑)

 導入部のおそらく宇宙人か創造主かの声は、ムーディーズの誰かが眠りにつくかつかないかの瞬間に聞いた幻聴なんでしょうね。(おそらくグレアム=エッジ?)
 この部分が私たちを夢の中へ導いてゆくスパイスみたいな役目なのだと素直に捉えてこそ、このアルバム全体が際だち輝いてゆくのです。決して「音楽ぢゃない」ってここで聞くのを止めてはいけませんよ!

 9はシングルで聞いても素晴らしい、このアルバムでは白眉の曲だと思います。
 ですがやっぱり「サテンの夜」から「セブンス=ソジャーン」までのアルバムは全て、夜中に少し暗くした部屋で最初から全曲通して聞くのが基本スタイルだと思っております。トータルアルバムとはそういうものでしょう。
 CDになってほんとに良かったと思います。LP時代はA面が終わるとひっくり返しに行かなければなりませんでしたから。だから昔は面倒でもLPをオープンテープに通し録音して聞いたこともしばしばでした。

 余談でしたが、みなさんぜひこのアルバムを一度は一人きりで集中し、通しで聞いてみて下さい。
 
 あなたの想像力が何倍にも増幅するきっかけになるかも知れませんよ。