一番複雑な建築物とは
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建築探偵のシリーズも第3部ということで、「またアジアか~。ベトナム?前はタイ料理とシルクだったから今度はトムヤムクンとアオザイか?」と思ったら全然違う嬉しさ!篠田さんは、本当に歴史(しかも分かりにくい近現代)をきれいに紐解いてくれます。しかも「桜闇」(だったよね)に出てきたあのお方のその後、けっこう気になっていたので、二重の喜びです(最後で「あの人」が××してしまったのは、悲しかったですが)。はじめの頃に比べたら、建築の薀蓄が少ないかな~とは思いますが、篠田さんは「この世界で一番複雑な建築物は、人間なのだ」ということを作品を通して語っているような気がします。