おんなの子が　おんなの子たちというかたまりのなかで
埋もれたり　立ちあがったりしながら　お互いを認め合っていく課程を
ゆったりとした長回しのアングルで　ユーモラスに捉えている

クールで時にわざと乱したような恬淡な線が　彼女らのさらりとした関係性と
未熟で濃密な期待をよく表現していて　せつない温感が伝わってくる

良くも悪くも　成熟社会の「おしゃべり階段」なんだろな
「ちょっと窮屈だけどがんばってます」って感じで　共感できる

こころに残る作品だと思う

最終巻も、やっぱり名作。
予定調和的な展開の甘さはなく、最後まで気持ちのこもった作品。

どのシーンにも心を持っていかれます。

賢く、それが故に自分本位だったりクールだったりするお姉ちゃんが、
格闘技の試合に我を忘れるくらい熱狂している場面。

活躍する格闘家を弟に持つ漫画家が、自分の鬱屈した感情に対面している場面。

いわずもがな、マコトの大物ぶり。

クスリとしたり、ぐさりとやられたり。
自分の中の いろいろな感情を思い出します。

青くもあり、黒くもある、未熟な自分のこと、
ちゃんと、ずっと覚えていたい。

そんな気持ちにさせてくれる本です。

妄想多き女子中学生の日常を、わりと淡々と描いたこの名作も、ついに最終巻です。

といっても最終巻ではそれなりに動きがあり、親子の交流らしきもの、ちょっとした冒険らしきもの、恋愛らしきものも描かれます。
そして衝撃の「なめた先生」の登場。
主人公も、ついにあの髪形を卒業します・・・。

男子と女子で違うとはいえ、中学時代のあの妄想の日々を思い出し、なつかしいような、切ないような気分になれるのが本書のいいところ。
絵柄同様ストーリーもごくシンプルなのに奥深く、それでいてさわやかな読後感を与えてくれます。

ラウンダバウトは１・２巻も面白かったですが、この３巻も相変わらず面白かったです。

１巻では創作ダンスやAV鑑賞会などの中学生女子ネタのキャッチーさで「つかみ」を取る作品が多かったですが、最終巻となる３巻ではより内容で読ませる作品が多くなった気がします。

主人公の成長と作品の変化（作家の成長）が、渾然一体となり最後の最後には読者が追い抜かれるように終わっていくこの３巻。

ラウンダバウトは名作としていさぎよく完結。というところでしょうか。オススメです。