田宮版白い巨塔は唐沢版を凌駕していると感じる私ですが、そう感じさせる大きな要因はやはり役者にあるのではと思います。
唐沢版ももちろんいいのですが、田宮版のキャストもかなりの豪華さで、演技はとても自然、まるで本物がやっているかと思わせるほどです。昔の日本映画を見慣れた人なら拍手モノのキャスティングだということはもちろんお分かりのはず。
第三部からの注目人物は、柳原医局員(高橋長英)、山田うめ(北林谷栄)、亀山君子とその夫、そして東佐枝子(島田陽子)と里見の妻・三知代(上村香子)でしょうか。
田宮版白い巨塔の中でも特に里見先生と佐枝子の秘めた恋に魅せられた私個人としては、里見への想いを抑えきれなくなった佐枝子がより積極的になりながらも苦悩する各シーンがかなりのお気に入り。
何しろ、島田陽子がとてつもなく美しい。
私にとって、背の低い里見(山本学)と背の高い佐枝子(島田陽子)の恋は、テレビドラマ史上最も印象的で忘れられないものとなりました。