協奏曲のような構成
★★★★☆
ストーカーだった息子を振った珠美を逆恨みする母が起こす事件、それは三姉妹への危険な嫌がらせです。一方、ある経済人の逮捕があり、その娘が嘆いていました。無関係だった二つの事件が表で絡み合い、水面下では密輸にまつわるもう一つの流れが動いています。さらに他の流れが加わり、どんどん膨らんで濁流のように流れていく事件・・・そんな構成がすばらしいと思います。途中で飽きずに読める作品です。全ての流れが終結し、最後にピアノの一音のように残ったものは・・・決して派手ではありませんが強く心に残るラストシーンでした。