インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

女性学/男性学 (ヒューマニティーズ)

価格: ¥1,575
カテゴリ: 単行本
ブランド: 岩波書店
Amazon.co.jpで確認
女性学という知の力 ★★★★☆
女性学の歴史と現在を実にコンパクトにまとめた入門書。著者の特技を活かし理論的な話が中心であるが、その理論の発達と共振しながら(あるいは理論に先立ち)展開してきた女性をめぐる社会変革の動きにもバランスよく言及している。いい本だと思う。
田中美津氏が種をまき井上輝子氏が開花させ上野千鶴子氏らが飛躍的に成長させた日本の女性学は、実質30年ほどの歴史しかないが、しかしその短い間に、性差をめぐる認識の根源的な問い直しや女性の社会進出の後押し、男女間の権力のあり方や、個々の女性の生き方の意味や価値について驚くほど多くの重大な見識を提供してきた。そして、「セクハラ」や「DV」の問題化といったかたちで、女性学的な知識は一般社会に普及し、世の中を一変させてきた。今後も変えていくだろう。
一方の男性学については、これに遅れて誕生したばかりでまだ蓄積も少なく、本書も終盤でごく簡単にまとめているだけである。つい先ごろ出版された『「男らしさ」の快楽』(勁草書房)などの秀作に予感されるように、これからさらなる発展が期待されてよい学問だが、しかし現在では基本的に、女性学(+ジェンダー論)の派生ジャンルに留まっているのだろう、という印象を強く受けた。