ミッキー・ロークの痛々しくもガッツあふれる偉大な復活
★★★★★
プロレスラーは誇り高い職業だ。血まみれになって観客を喜ばす1夜の物語を演じるために肉体を鍛え上げるのだから。不器用なレスラーが老いた体で、場末のファンを喜ばす。家族を失い、孤独、引退後の生活とやがては来る死への不安。しかし彼らはリングに立つ限り、それがショーであっても立派なプロ。
主人公ランディはそのプロレスラーの誇りと不器用さ、痛々しさを具現した男。演じるのが80年代のスター俳優ミッキー・ローク。ナイン・ハーフ等を知っている者にとっては容姿の変貌に愕然とする。しかし、彼は3カ月の厳しいトレーニング(6時間を超える日もあった)を積み、本物のレスラー相手に本物のファンを前に試合をした。至近距離での撮影は迫力満点だ。
昔の栄光、不器用だが自分らしい生き方はこれしかないというランディのプロ意識のほとばしりはミッキーの実人生と重なり、本作の感動を高める。
友人ミッキーに贈ったブルース・スプリングスティーンの主題曲は、CDで聴くより本作ラストの余韻に浸りながらエンドロールで聴く方が数倍良い。
ランディと絶妙の距離をとるマリサ・トメイの演技も光る。
色々な意味で大人向け。漢映画。
★★★★★
内容については他におまかせするとして。
この映画、20代〜ヤングの、これからの可能性や伸びしろを持ってる人よりも、周囲に抜かれる悲哀や、世の中どうやっても無理なことがあること、肉体的にも精神的にも「衰え」というものを感じて知っている世代のほうが強く感じるものがあると思います。
自分にはけっしてマネできない、ゴツい「クズ野郎」の人生が見られる。
自分も家庭も犠牲にして、客に魅せるための試合を演る「プロ」である彼のラストファイト後の運命は、見るひとそれぞれの想像にまかせられる。
日本でこういう話作ったら、きっと「そんな彼をいつまでも見守って待つあたたかい人々」や、「会場にかけつけて涙いっぱいにためて見とどける女たち」というものを配置しそうだけど、これはそんな甘い映画じゃないです。だからいい。だから漢映画。
業界の(それも割と小さい団体あたりの)内幕もはっきり描かれているので、大人のプロレスファンにもおすすめ。自分は舞台裏含めてプロレスがより好きになりました。
プロレス馬鹿一代
★★★★☆
過去の栄光、主人公の不器用な生き様は、ミッキー・ロークの役者人生とダブって見えます。実生活の方も無理しないで欲しいとか勝手に思ってしまったり・・。40を超えて最近露出が増えたマリサ・トメイも相変わらずシングルマザーっぷりが絶妙にハマり、キャスティングもいいですね。映像はドキュメンタリータッチで洗練されたものでもないし、物語も単純といえば単純ですが、プロレスファンでなくとも男性はぐっと来るストーリーだと思います。
心を揺さぶられる映画
★★★★☆
好き嫌い別れる映画だと思います。自分は好きですが、嫌いな人も心揺さぶられる力のこもった映画だと感じると思います。
自分勝手な主人公と言ってしまえば終わりですが、自分勝手なだけの男の半生なんかわざわざ映画にしません。作り手は自分勝手とか、わがままを超えた生き方を伝えたかったのでしょう。
最後のシーンは観る側に解釈を委ねてますが、自分はハッピーエンドだと信じたいです。主人公は娘に看取られて息を引き取るのです。あと20年は経ってからです。
レスラーにこそ観てほしい!
★★★★★
要はジェイク・ロバーツのドキュメンタリーdeath!(またはリアル野良犬高野拳滋) ケンドー・ナガサキ、大仁田厚、カクタス・ジャック、ジャンボ鶴田、梶原一騎、ブレット・ハート、セルジオ・レオーネ、深作欣二、千葉真一、三沢光晴、そして、 斎藤彰俊!に対して感じるものがあればぜひ観て頂きたい、 一般的にはダメな男の話なんでしょうが、俺としては決してバカな生き方とはいわせねぇ! って、言いたくなる そんな映画です。 ミッキー・ローク。本当にバカな男です!(ホメ言葉)
追伸: 「ダブルチーム」の頃から期待はしてましたが、
それ以上でした!