クリムゾン
内容は素晴らしく、実際に欧州では高い評価を獲たものの、日本での扱いはいまいち地味だった…というか発売当時は全く何の話題にもならず、個人的にもどかしい思いをした前作「Frozen」。
しかし本作はBURRN!の前田氏による強力な後押しの甲斐もあって、日本におけるSentenced再評価の出発点となった。
内容的には「Down」「Frozen」の延長線上にあり、スピード曲は皆無。ミディアム〜スローテンポの曲で占められている。
#6 "Killing me killing you"は名曲。PVも必見。
もちろんそれ以外にも佳曲・名曲揃い。
確かにアップテンポの曲は少なく(唯一勢いのある#5 "Broken" でもBMP150前後？)、そのため全体の起伏にかけるのではないかと思われがちだが、決してそんなことはない。
彼らの最大の武器である沈み込むような絶望感と、哀愁などというレベルを遥かに超越した慟哭の要素はアルバムを重ねるごとに深さを増し、洗練されている。
荒々しさと繊細さを併せ持つプレイも魅力。
前２作はドイツでレコーディングされたが、本作は久しぶりに地元フィンランドでのレコーディング。そのことも、アルバム全体を覆うこの暗さと重さに関係しているのかもしれない。
本作発表に伴うインタビューでの、「フィンランドの極端な気候が、俺たちのなすこと全てに影響を与えているんだろう。ここでは３つのことしかできない。１つ目はテレビを観ること。２つ目は自殺すること。そして３つ目はミュージシャンになることだ。だから俺たちは、バンドを組んで自殺について歌うことにしたのさ」というサミの台詞は、私の心に深く刻まれている。
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