面白かったです。
受けの気持ちに同調してしまうくらい、納得の作品です。
男の人は攻めのようなタイプも多いので、自分の周りにいる人になぞらえて少し笑ってしまいました。
理解出来ない行動をする攻め、相手の事を思いやる事が出来ない攻め。
だけど受けの事は好きで言葉でいちいち教えてやらないといけなくて。
攻めは怒るとショボくれるが、なんで怒っているか教えると理解する。
なんて面倒くさい（笑）
でも正直で嘘が無く、可愛くて不器用な男である攻めと一緒にいたい、好きだという受けの気持ち。
すごく伝わってきました。
出来の良い攻めを求める方には向いていない作品ですが、それ以外でも大丈夫という方にはオススメ。

設計部で働くコミュニケーション能力ゼロの攻めと支社勤務の営業マン。
顔をあわせるといつも仏頂面なのに、自分の専門分野の話題になると
目をキラキラとさせて饒舌になる人っているよなあ
と思いながら楽しく読みました。
同時期に他レーベルから出ていた理系男子のお話を読んでいたのですが
（こちらは大学生同士の幼馴染み）
理系男子の攻めが男を押し倒す理由は
「試してみないとわからない」
なんですね！

２００７年の雑誌掲載作と書き下ろしの２編。地味な設定のラブコメですが、要所々に作者の個性が発揮されてて面白かったです。
工業ミシンメーカー営業の飯山(受け)は、仕事で組むことになった設計の杉(攻め)の機械バカぶりに唖然とするばかり。手を焼きながらも常識が通じない杉を、飯山は叱りったり、教え諭したりして、育てていく。不器用だけれど正直で嘘のない杉の人柄を知るにつれ、飯山は自分に懐いてくる杉を可愛く思い始める。そして杉が彼女に振られ、飯山に恋愛相談に来ると、なぜか話の流れで「俺にも好きな男がいる」と白状させられ、更には「その男と別れてぼくと付き合ってください」と杉に迫られてしまい…。
「書き下ろし」も良かった。付き合い出してからも、飯山は常識外れの杉の言動に振り回される日々。根気よく恋人としてのスキルを教えていると、杉にとっては大きなチャンスになる転勤の話が舞い込む。離れたくないと言い張る杉。チャンスを生かして更に成長して欲しいと願う飯山。互いの意見の相違に、とうとう別れ話まで出てしまい…。
男として仕事に向き合う姿勢を促す飯山と、恋を選ぼうとする杉の両方に、とても共感できます。飯山の姉さん女房ぶり(？)に萌えました〜。杉は普段は素直に飯山に教えを受けて「はいはい」と聞いてますが、ベッドでは思い切り「オス」全開で、おもしろカッコ良いです。なんだかんだと微笑ましい二人でした。
楠田作品ファンの方、ラブコメ好きな方、年下ヘタレ大型ワンコ攻めなどがお好きな方にはおススメ。イラストもキャラに合ってたと思います。