だがこの本を読んでどこかで見た表現形式だとは思わないだろうか?
インターネットでAmazonまでアクセスしてくる人はかなりの人が知っている
はずだ。文字を急激に大小させ文にメリハリと呼吸感を与える。
そう、中国ロボット「先行者」を嘲笑して一世を風靡したあの「侍魂」
である。
「侍魂」がブレイクしたのは2001年。本書の発行は1999年。
これは数多くの模倣サイトを生み出した侍魂へのまさに「先行者」!であった。
もっともこれを模倣する文学はついぞ見たことがないけれど。
本書は他にも主人公八百木千本による註と笙野頼子による註を随所に
挟み込み二重セルフ突っ込み文学にするなど新しい表現形態がある。
しかし、冒険しすぎたのか誰も模倣しなかったのは残念だ。