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妻たちの二・二六事件 (中公文庫)

価格: ¥660
カテゴリ: 文庫
ブランド: 中央公論新社
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☆読んで良かった真実の2・26事件詳細 ★★★★☆
色々な興味から読むべきかと思い1円にて購入(送料340円は高くありませんでした)
筆者、澤地久枝様(昭和5年生まれ)の足で取材された本物の妻の事件後が見て取れます。

文字の中に情景が浮かび、数本の人間ドラマを見せていただいたような感慨がありました。
決起が成功していれば1500名あまりの兵士と共に英雄にも成り得たものが頓挫して官位剥奪
により戦後の遺族の苦労が忍ばれます。
A級戦犯と違い、遺骨が家族に戻されたのは救いでもありますが明朝、処刑と知らされてからの
数時間の人間の思いはいかばかりでしょうか。

妻の立場から・・・の書籍と思っておりましたが1971年夏に二十二名の志士の関係者30余名が
麻布賢崇寺に集い菩提を弔う前書きから一気に読める内容でした。
人名が多く出てきますので整理しながら読み、複読することで筆者の想いに近付けるかと思います。

高橋是清蔵相を襲撃した中橋基明中尉の悲恋の女性の事にも触れてあり、昭和43年33回忌法要で
仏心会の河野司様(河野寿兄)に偶然紹介されて託された書類が遺族の元へ還ることが出来たことも
ドラマチックでした。
事件の詳細をご存じの方も知らない方も著者によりまして受け止め方が違いますので是非お読み
くださいませ。

国賊の遺族達はどう生きたのか ★★★★★
二・二六事件から三十数年後に、二・二六事件の首謀者の遺族達を取材したドキュメンタリーです。
ほとんどの妻達が、若くして夫を亡くしたのですが、その後の人生は、保母の資格を取って子供を育てた女性、夫の後を追うように亡くなってしまった女性、再婚に踏み切った女性、実家と婚家の狭間で苦悩する女性など、実に様々です。
処刑間際に妻への愛情を吐露する夫達の姿が、妻達を呪縛したという著者の指摘が、重く響きます。

二・二六事件について調べたい方にお薦めしたい本の一冊です。