釈迦の謎。
★★★★☆
澤田さんの公事宿シリーズ10作目もついに文庫化。
相変わらず京都の公事宿「鯉屋」を舞台に、居候の田村菊太郎を軸に様々な事件が巻き起こります。
子供の虐待問題など、現代に対する警鐘もならしつつ、展開するストーリーは今回も冴えています。
やはりこのシリーズの面白さは公事宿の主、番頭(下代)、手代、小僧たちと菊太郎の舌を絡ませあうような嬲りあいにあるでしょう。
お互いを信頼し、知り抜いているからの悪口雑言の掛け合いが、京都言葉を使って最高にテンポよく展開されています。
それにしても、釈迦の女の謎は…。やられた!って感じですな。