「サンダーバード」の楽曲が音楽としてよくできてるなあと思い、聴きたくなってきて作曲者を調べたらこのバリーグレイでした。
筆者が子供の頃見てた「キャプテンスカーレット」や「スティングレイ」も、さらには比較的新しい「謎の円盤ＵＦＯ」の音楽もすべてこの人だったとは驚きでした。とりあえず買って聴いてみようと思い、購入しました。すると・・・。うおぉ・・・。
これはスゴイ！！なんという素晴らしい出来栄え。見事なひらめきとアイデアの楽曲群。この質の高さは文句のつけようがない。
これは大変なＣＤが出たもんだ、これは世界を席巻できる潜在能力がある（いや、現にすでに彼らは世界を席巻してきた）
年代順に配列されていてGerry Anderson作品の流れもよくわかります。「スーパーカー」「スティングレイ」「サンダーバード」「キャプテンスカーレット」「ジョー90」「謎の円盤ＵＦＯ」などのそれぞれのテーマ曲もオリジナル音で収録されていて、しかも材質が“ハイクオリティＣＤ”だから音がすこぶるいい。スーパーマリオネーションの品質も一流なら、それを演出する音楽も一流。これら後世に語り継がれる高度な文化を生みだしたのは一体どのようなパワーであったか。さすがは英国の文化！！この文化力の高さの前に、そしてこのたった一枚のＣＤの前に、我が日本文化は完敗であります・・・。（涙）

バリー・グレイの楽曲を一気に聞けるので大変お得なＣＤです。
本当は星５つをつけたいところなのですが、難点が一つだけ。
ライナーノーツの日本語訳です。
ファンダーソンのライナーノーツを訳した様ですが、まるで高校生の英語和訳の宿題を読んでいるかのようなお粗末さ。
ほとんど直訳って感じで、日本語としては大変読みにくいです。
英語の和訳には日本語のセンスが必要であることを思い知らされました。

先ず、このＣＤの最大の売りは「謎の円盤ＵＦＯ」のオープニングを聴ける、
という点であろう。
入手困難なファンダーソン二枚組ＣＤを持たない自分のような者にとり、
国内販売ＣＤでこの曲を容易に聴けるようになったのは大きい。
もう似た旋律を持った某アニメ作品のＢＧＭや、
カバー曲の海外ＣＤ、
ましてや「オリジナルサントラ」を謳った二枚組日本発売版などで
我慢する必要が無くなったのだ。

また、あくまでタイトル通りバリー・グレイの作品集であり、
ネームバリューに富んだ「サンダーバード」に比重を大きく置いていない点が良い。
これにより、アンダーソン作品（「魔法のけん銃」〜「スペース1999」初期）における
バリー・グレイ楽曲の流れをしっかりと掴む事が出来る良盤となった。

この盤をきっかけに、各作品毎のＣＤリリースが再度進展するよう望みたい。

ざっと見たところ過去に発売されたサントラのいいとこ取り＝ベスト盤だが、海賊版ではない正規品はファンクラブ限定で一般には入手が難しい「海底大戦争」「UFO」「ロンドン指令X」が入ってるところが嬉しい。しかし、アンダーソン作品のTVシリーズしか収録されていないので、「バリー・グレイ作品集」のタイトルを冠する事が出来るCDではないような気がする。特に「サンダーバード6号」のサンダーバード・マーチと「決死圏SOS宇宙船」が入っていないのがマイナス。また、あくまで個人的には日本版アレンジのサンダーバード・マーチ（服部克久 編曲）をボーナストラックに収録して欲しかったなぁ、と。ついでだが、今度は「日本語版アンダーソン作品集」を出して欲しいなぁ、切実に。

謎の円盤UFOは過去に二枚組のCDが発売されていて初CD化ではない。未収録曲もあったので、それが今回のCDに収録されていれば買いではあるが……。
他のタイトル曲もそれまでに殆どCD化(オリジナル音源ではないが)されている事を思うと、迷ってしまいます。
サンダーバード(3枚組)も出てますが、以前の版と何が違うか分からないと……。
本当の意味での完全版を発売しない限りコアなファンを満足させられないだろう。