メタル=ダークというイメージを吹き飛ばす快作
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ジャーマン・メタル・ゴッド、GAMMA RAYが初めてコンセプトを引き継いで制作した名盤。
1曲目「INTO THE STORM」はスピード・チューンではありますが、GAMMA RAYらしいツーバス疾走系ではなく敢えて往年の正統派風に仕上げられています。この曲が持つ体感速度は凄まじいものがあり、正に「嵐の中に」突入して行くようなヴォルテージの上昇を感じられるでしょう。
全編に貫かれているのはポジティヴなエネルギーで、ヘヴィ・メタルはダークなもの、という先入観のある方はそれを完全に打ち砕かれるはずです。
そのエネルギーをずっと維持したままスピード・チューンやグルーヴィな楽曲が次々と展開して行くので、「熱さ」はGAMMA RAYのキャリアの中でも随一ではないでしょうか。困難が立ち塞がってもそこに自ら突入し撃破しながら前進して行くような勇壮さは、GAMMA RAYというバンドが持つイメージそのものであり、そうしたパワーはカイ・ハンセンが提示したいメッセージでもあり、彼が意識するGAMMA RAYらしさでもあるようです。
ヘヴィ・メタルを愛する方なら、聴くと元気になれる一枚。是非、このアルバムをメタル・コレクションに加えて下さい。
ボジティブなバワーに溢れた傑作
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ジャーマンメタルゴッド、ガンマレイの9th。2007作
前作から2年ぶりとなるアルバムは、なんと1995年の作品「Land of the Free」の続編だ。
のっけからオールドスタイルの王道ジャーマンメロパワサウンドが炸裂で、
これほどのベテランになってもかつてと変わらぬ勢いを感じさせるのはさすが。
IRON MAIDEN、JUDAS PRIESTなどと同様、長い年月を経てきたバンドとしての貫祿とともに
カイハンセン節ともいえるキャッチーなメロディと疾走感に溢れた楽曲でたたみかける。
間奏部におけるドラマティックな展開力は、鉄壁のツインギターとリズム隊によって支えられ、
若手バンドではかもしだせない強固な説得力と、歴史上の名バンドに匹敵する空気を作り出すことで
カイ・ハンセンのヴォーカル云々という毎度の論議を超越するだけのパワーを生み出している。
そして、ラストは11分の大作で、これでもかという劇的な展開美に綴られてアルバムは幕を閉じる。
過去と現在、そして未来をみすえるようなポジティブなパワーに満ちあふれたこのアルバムは、
「王道とはなにか」という答えを、昨今の若いリスナーたちに提示してみせるかのごとく輝いている。
日本の歌手もボーカルを見習うべき
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今回はPOP色が強かったような気がします。でも、僕にとっては、サウンド、メロディともに嬉しいものです。僕は当初、Helloweenのファンでしたが、今では、GammaRayのほうが気に入っています。これまで本作品は30回以上聴きましたが、後何回聞いても飽きないのではないかと思っています。
さて、表題の意味ですが、過去のレビューで、ボーカルは「お世辞にもうまいとはいえませんが」という一文がありました。「上手い下手」の基準をどこにおいているのかわかりませんし、どのジャンルと比較した表現かもわかりませんが、少なくとも日本の曲とはよく聞き比べてほしいと思います。「息継ぎをどの程度の間隔で行っているのか、息継ぎの音がが聞こえるか否か」等を。息継ぎの音が大量に含まれている曲ほど聞き苦しいものはないと思っていますが、それが今の日本の曲の現状でしょう。カイハンセンのボーカルは、大部分、息継ぎの音が聞こえません。また、息の続く時間はかなり長い。日本人の全てのボーカリストよりはるかに上だと思います。さらに付け加えると、ビブラートでごまかす日本の演歌歌手と比較して、音程も立派に取れていると思います。
起死回生の一撃。
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ここ数年「悪くないけどよくもない」作品ばかりだったが、
この作品は代表作の続編にしなくてもよかったと思えるほど素晴らしい。
同コンセプトでHELLOWEENの『Keeper of the Seven Keys: The Legacy』以上に
ファンが納得できる作品だと思う。
(3)の“Rising again”から続く(4)の“To mother earth”は、
「これぞGAMMA RAY!」な曲。
ラストの長編曲(12)の“Insurrection”も
スリリングでドラマティックな展開が最高。
カイ・ハンセン節炸裂の一枚。
これがジャーマン・メタル。
良くも悪くもガンマ・レイ!
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前作はいまいち聴き込まなかったけど、今作はかなり聴いてます。
曲はどれもポジティブで・・・わかりやすく言うと高揚感が沸いてくるというか・・・つまり元気が出ます(笑)!しかも各メンバーの作った曲が入っていることによりアルバムとしてはヴァリエーションに富んでいます。(ただ、曲として気に入るかどうかは好みですが・・)まぁ、あいかわらずカイ・ハンセンのヴォーカルはお世辞にも上手いとは言えませんが、ある意味ガンマ・レイらしくて良いかなと。
とにかく良くも悪くもガンマ・レイらしい素晴らしいアルバムです。
でも4曲目でそりゃ歌詞の意味はよくわかるけど、カイ・ハンセンの口から「彼女は美しかった〜♪」はちょっと・・・。