きらめくようなポップスとタフで現代的なロックのあいだで揺れ動くオープニング曲「Shake Down」では、ハリーは生意気なくらいとんがっていて、その奇妙でおかしなラップは『AutoAmerican』を思い起こさせる。つづく、甘いメロディーの「Good Boys」と「Undone」は標準レベルの出来だ。そして、荒削りなアーバン・ロックの「Golden Rod」は本作の魅力を高めてさえいる。その後は失速し、これ以降の6曲はぎこちなく弱々しく、リスナーが期待する見事なソングライティングよりも、しつこいプロダクションとばかげたごまかしのスタジオワークばかりが目立つありさまとなってしまった。(Dominic Wills, Amazon.co.uk)
デビーの声は再結成以降の方が好き。高音が出なくなったなど無粋なことを言う人もいるようだが、実は高音もちゃんと出てるし、それに加えて中音から低音は若い頃には比べ物にならない充実ぶり。中年女性にしか出せない凄みがある。歌の上手さ表現力が年齢と共に格段にアップしている。ブロンディー再結成前にはジャズバンドで歌っていた時期もある人だ。本当に歌が上手い。毎日聴いても飽きない、というか、毎日聴きたくなる声だ。