L.A.Expressの傑作
★★★★★
30年前のLPを記憶を辿ってCDで買い直し,カセットテープに落としていた楽曲をHDに入れ直すという中年の愉しみの中で,この1枚は出色の出来,(ジャズ)クルセイダースのライブにも顔を出すマックス・ベネットの乗らせどころを心得たベースと,この頃絶えて久しい『語りかけるドラムス・パート』を叩き出すジョン・ゲランのドラムスに,時に可愛いらしく時にお洒落なラリー・ナッシュ(kb)とロッベン・フォード(g)の絶妙のアンサンブル!この快速列車に乗って,“やんちゃ坊主”,“生意気な若造”トム・スコットの精気が溢れるウインドが吹き捲くる.誰も出過ぎない,誰もこじらさない,幼稚でも無ければ難解でも無いグループワークの傑作,草臥れた親爺の朝に嘗ての光を甦らせるおすすめの1枚です.この時代のTom ScottとThe L.A. Expressの最良の仕事では無いでしょうか.