古楽器で味わうペルゴレージの魅力
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アバドによるペルゴレージ3部作の第2作。ペルゴレージによる宗教曲4曲が収録されている。1曲目は『聖エミディウスのためのミサ曲』。当時のナポリではミサ曲は「キリエ」と「グローリア」のみであったそうだ。この2楽章をソプラノ、コントラルトは2重唱で、合唱はppでもffでも綺麗に歌う。他3曲ではソプラノ、メッゾ・ソプラノ、コントラルトの熱演が光る。合唱の伸びやかさを引き出し、しかもハイテンポにも的確な指揮をしているのがアバド。即ち、彼の指揮は絶妙であり、ペルゴレージへのこだわりを感じさせる。尚、演奏しているモーツァルト管弦楽団団員の名簿欄外にa=430Hzとある。a(ラ)音は現代では440Hzである。しかし、古楽器では432Hz、又は430Hzを使用する。10Hzの差を聞き分けることが出来るかに挑戦してみたい1枚である。