特に、憲法初学者にとって理解しにくい違憲審査基準論の記述を大幅に省略し、「利益衡量」の考え方で事例を処理する説明方法は、公務員試験レヴェルの学習を志す者にとって分かりやすいだけでなく、有益でもある。なぜなら、それによって、単に「合理性の基準」や「厳格な基準」などを暗記するのではなく、''なぜそのような結論になるのか''ということを、読み手自身が考える力を身につけさせてくれるからだ。