宇都宮健児先生から教えられたこと
★★★★★
貧困問題や借金問題に立ち向かっている宇都宮健児先生ですが、今回この本で宇都宮先生の信念が形成されていった生い立ちは実に学ぶ事が多いです。
ご両親への想い、弁護士という仕事への自信喪失、いままで闘ってきた事件の数々、整理屋と結託して債務者を食い物にする提携弁護士・司法書士との闘い、貧困が最終的に行き着く所など考えさせられながらも少年時代に開拓で培ったパワーが感じられる一冊です。
ぜひ読んでいただきたい本です。
高いですが...
★★★★☆
どうしても欲しくて購入しました。読んでいる途中ですが、がんばろうと思わせてくれる本です。
法律家と法律家を志す者の必読書である〜「見て見ぬ振り」は,社会的弱者を見捨てるのみではなく,自己をも見捨てることになる。
★★★★★
宇都宮先生の志の高さ,シンプルさ。その徹底的なる実践。
「弁護士,闘う」という書名のとおり,
先生の「闘い」の記録である。
まず,先生の企画力,圧倒的な行動力に感動した。
山口絵理子さんの「裸でも生きる」の読後感と共通の,心が揺さぶられる感動,秋晴れの朝のような,突き抜ける爽快感を感じた。
今まで様々な法律家の方の著書を読んできたが,次から次に語られる事件,志の実践に,これほどの迫力を感じたことはなかったと思う。
また,1980年代以降,30年間にわたる「消費者問題」の深刻化,宇都宮先生の「闘い」の歴史。消費者問題を理解するにも,ベストの文献だと思う。消費者問題(クレ・サラ問題,悪徳商法の跋扈等)の背景には,弁護士不足,法教育の貧困,これらを含めた「法の支配」の不存在,機能不全があるということがよく理解できる。
「人は,自分のためにはなかなか頑張ることができないものです。しかし,本当に困っている他者のためなら,なりふり構わず頑張ることができるのです。」
「逆に,困っている人に会っても,見て見ぬ振りをする者が少なくないのも事実です。見て見ぬ振りは,高齢の失業者やネットカフェ難民,障害者やシングルマザーをはじめとする社会的弱者を見捨てるのみではありません。悲惨な実態を黙認する当人に,密かにせよ,自らへの不信感を抱かせます。見て見ぬ振りは,自らの人間性を疎外するのです。」
「見て見ぬ振り」は自己をも疎外する。。。
全ての法律家,法律家を志す者の必読書であると思う。
ところで,宇都宮先生は,従前から,「司法改革の評価は,社会的・経済的弱者の味方となる弁護士が増加するか否かにかかっていると思っています。」と仰っており,本書にもその旨記載されている。
私自身,必ずしもそうは思っていなかったが,本書を読んで,そもそも「司法の存在理由=少数者の人権保護」であることからも,宇都宮先生の言われるとおりであり,それ以外に司法改革の成否の判断基準はありようがないのではないか,と思うに至った。