心の奥底をゆさぶる音色
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古の偉人や武将に愛好者が多く、長く人々に愛され続けている琵琶ですが、その音色はあまりに地味に思え、この「ベンベン」としか聞こえない音のどこに、なぜ魅力があるのか? 下々のものには解らない天上の魅力なのか? と諦めておりました。
しかし、この番假崇〜琵琶独奏(芝祐靖)を聞いたとき、これが「琵琶の音」というものなのか…と、はじめて感動を覚えたのでした。喜怒哀楽といったものよりもっと深い、人の気持ちの奥底に眠っている無意識の感情を呼び覚ますような、崇高で孤高な音色…。
琵琶の音はただ「ベンベン」としか聞こえない…と思っていらっしゃる方にこそ、一度のぞいていただきたい世界だと思います。