鬼退治の頼光もでてくるのですが、作り話なんだよ、というあたりも、史実、伝承に対する作者監督の挑戦ですし、実際にこの映画の主人公になる侍の方がしっかりとしているんですね。いつの時代も後世に名前を残す人と同じ才覚がありながら埋もれる人がいるのですね。
それで妖怪退治に向かうのですが、そこで因果なめぐり合わせがあるのです。
何度もいいますが、そのめぐり合わせ、そのシーンの素晴らしさ!、情念と怨念の狭間。愛欲の世界。
妖怪談なのでしょうが、どうも親子の情、夫婦の愛情の話としか思えないところがあるのです。しかし映画の羅生門と同じ時代をうまく描いてます。すべては、灰として消えるのですが、肉体が消えたのでしょう。はい。