この本では供述や事情聴取にも触れているのだが、あの時代はより過酷だったのではなかろうかという疑問があるし、一方で特高警察というか警察の仕事の濃度が濃いというのも気になる。いまはなき某国の政権の頃と似ていないでもない。
この内容だとどうしても主義ばかりが先行して解説されるものだが佐木隆三氏の取材によって書かれたこの本には人間臭さが全体的ににじみ出ていてそこがいままでの評論とは異なるまさに「小説」というところだろう。それにしても表紙のセンスはかなりいいです、メッセージ性がかなりあるこの表紙は買いですね。