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楽園・味覚・理性―嗜好品の歴史

価格: ¥3,150
カテゴリ: 単行本
ブランド: 法政大学出版局
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味わい深い本です ★★★★★
嗜好品を片手に、この本を読むのは、味わい深いと思いました。
この本は西洋で昔から普及していた嗜好品の、アルコール、タバコ、コーヒー、紅茶などの歴史についての物語だけではありません。
「味わう」というのは、個人的な行為ですが、「ともに味わう」と、その社会の様子をうつす鏡になります。
非常に示唆的な本で、著者がある理論の筋道を説明しながら、たくさん逸話や、古い絵画を挿入していきます。
「個人と社会」の関係はやはり時代を超越する普遍的テーマなので、著者はそれぞれの嗜好品が持つ特長とその社会的な影響をさまざまな方面から検討していきます。
この本を読み進めていくうちに、それぞれの時代の西洋社会の歴史を辿りながら、現代の私たちが暮らしている日本の社会について、たくさん面白い考えが思い浮かんできました。
例えば、なぜの東日本より東日本は、喫煙に対してそれほど風当りが強くないのかとか、なぜパーティのはじめには必ず一緒に「乾杯」するのかとか、イギリスの「アフタヌーンティー」と日本の「茶会」では、スタイルは異なりますがが、「儀式化」されていて、その所作も重要な茶の味わいの要素なのではないかなど。
そのようにこの本を読みながら、私自身がこの本のテーマである「嗜好品」を味わうように、本を読むことを味わいました。
バベットの晩餐会以前の世界とは、 ★★★★★
邦訳発売からすでに20年近いわけだが現在でも新刊で入手可能ということは何度か版を重ねてきたと思われる、経過時間を考慮すれば更に良い本も出版されているのかもしれないが、この方面の著作としては現在でも代表作ということなのかもしれない、内容を考慮すれば決して高価な本でなく、おりにふれて読み返したくなる本です、

西洋が受け入れてきた主食ではない、いわゆる「嗜好品」にまつわる歴史・風俗・文化に関する本、高度なトリビア本としても読めます、

個人的には特にカカオ・チョコに関する記述に最も興味をひかれた、とりわけ2章「コーヒーとプロテスタンティズムの倫理」は食物が実際に世界を変えてしまったことが明らかにされており、現在もわれわれがコーヒーの支配下に暮らしている現実を突付けられ衝撃的ともいえます、

かいつまんで紹介すれば、じゃがいも到来以前のヨーロッパの主食はビールと雑穀を煮込んだアルコール含有のビール・スープであった、つまり当時のほとんどの欧州人は朝から少々酔っていた、そんな酔っ払い天国に覚醒作用をもつコーヒーが到来することで欧州人は勤勉さを発揮できるようになり、後にヴェーバーがプロテスタンティズムの倫理と賞賛する世界を準備することになったのだと、

イサク・ディーネセン原作の1987年欧州映画「バベットの晩餐会」は18世紀末の北欧の寒村が舞台、その1シーンに村人がビール・スープらしきものを食する場面があり、この本を読んで納得した当時のバブルな時代が思い出されます、