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中国経済の正体 (講談社現代新書)

価格: ¥756
カテゴリ: 新書
ブランド: 講談社
Amazon.co.jpで確認
データ量は申し分ないが構成に不満 ★★☆☆☆
中国経済の正体ということで中国の経済をミクロ・マクロ、
社会面などから分析していくような内容を期待していたがそうではなかった。
また人民元切り上げの考察から経済摩擦の話に展開するのはわかるが、
その後になぜ軍事摩擦の話が出てくるのか。

また提言をするのはは良いが「国家レベルで…」など当たり障りの無いものが多く面白くない。
データに関しても出典は書かれているものの詳細が乏しく、大体この位だろうというような印象を受ける。
最後に参考文献が明らかに偏りがあるように思える。
学生のレポートではないのだから全体的に一貫した中国の経済分析をしてもらいたい。
冷静で説得力のある分析 ★★★★☆
現代中国に関する著作は得てして思想的バイアスの掛かったものが多いが、
本書はそうした弊を免れている。

著者の分析で興味深いのは、以下の点であろう。

1)中国経済のピークは人口分析からして2015年あたりで、以降は減速状態
に入る。ちなみに日本のピークは1990年、インドは2040年。中国経済の先
行きはあと数年間のうちにどれだけ社会保障等の整備を進めることができ
るかに懸かっているが、現状では豊かになる前にピークアウトする可能性
が高い。
2)人民元は購買力平価との関連からして現状でも安すぎることはない。
3)暴力団の資金や売春、そして賄賂などいわゆる「地下経済」の規模はGDP
比で約13%に達する。
4)政府発表の各種統計数値は政策的な意図が働いて信用できないものが多
く、電力消費量など各種のパラメーターで推測しなければならない。著者
の推定によれば、08年のGDP成長率は3.8%(発表値9.0%)、09年は4.2%(同
8.7%)。失業率についても通常の基準を採用して推測するならば09年で約
10%(同4.3%)。
5)いわゆる反日感情や国益ナショナリズム、また独裁的体制により、中国
を通常のビジネスパートナーとするにはかなりのリスクを覚悟しなければ
ならない。

中国経済の現状と展望についての冷静な分析であるが、経済分析にありが
ちな数値の羅列ではなく、一人っ子政策の結果としての若者気質や、経済
格差と売春問題などについても経済的観点からの分析がなされており、興
味が尽きない。好著。
新しい情報が収録されています」 ★★★★☆
中国経済についての、最新の情報が記述されています。
自動車、テレビ、携帯電話、旅行・観光業等の産業・
企業レベルの情報です。

一番おもしろいのは、4章「人口ボーナスと中国経済」
ですね。労働人口の増加を「人口ボーナス」というのだ
そうですが、日本の状況と比較しながら、未来予測を
しているところが、興味深いです。

人口ボーナスを組み込んだ、計量可能な成長モデルが
あると、もっとよかったと思います。
多分、人口動態と経済成長の中間には、貯蓄率と投資率、
税制、福祉制度のパラメータが入ってくるので、これらの
設計によって、人口動態の労働人口としての役割が、影
響されるのではないでしょうか。

改訂版では、ここが期待されます。
中国経済の今とこれから、そして問題点も教えてくれる ★★★★☆
中国資本主義を「縁故資本主義」と規定している。たしかにそのとおりだが、その視点だけでは世界経済を支えるとまでいわれる今の中国経済を説明できない。中国経済全体を見渡すためにいろんな切り口で論じている。

世界恐慌ともいえる危機が中国ではさほど大きい影響がなかった理由を金融が健全であったからだと指摘している。さらに沿海部を中心として富裕層が層をなして存在しそれが消費をささえていることも挙げている。日産の関連会社の発展を内陸部の消費者の需要をうまく取り込めたからだと分析し、上海万博が7000万人を動員する一大イベントでありこれが経済の好調を支えるだろうということもいっている。

水ビジネスでは日本企業のが活躍すべきであるといい、原発ラッシュのなかでは、中国独特の安全性問題がつきまとうと警告している。

体系書ではないが、中国経済の今とこれからを展望するために考える素材を適度に加工して提示してくれる読みやすく興味も深まる好著である。

興味深い内容満載だが入門レベルではない ★★★★★
中国経済が好調な理由や上海万博の経済効果、これから為替制度や金融政策がどうなるのかなど興味深い話が満載なのだけど、ある程度経済の知識がないと初心者にはちと難しいかも知れない。日本が中国やアメリカとどう付き合うべきかについては共感した。やはり正三角形ではなく二等辺三角形がベストだと思う