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小さな恋の万葉集

価格: ¥12,809
カテゴリ: 単行本
ブランド: 小学館
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万葉人の恋と現代人の恋 ★★★★☆
書店でこの本を手にしたとき、久しぶりに胸がときめいた。人を恋することの切なさ、トキメキ、そして素晴らしさをこれほどストレートに伝わってくるのはなぜろう。「純愛」がブームになる中、これほどまでに純粋に恋を語る文章は無い。

 今の私たちも恋をする。時には許されざる恋もある。こんな恋が許されるのだろうかと不安に思うこともある。でも、1300年前の我々の先人達も同じように恋をしたのだ。その先人の恋に勇気づけられる。

 この本で、面白いのは現代語訳。学校の古典で習ったような、眠くなるような現代語訳じゃない。今の若者の言葉でうまく表現している。所々にちりばめられた、若者の感覚が、万葉集とはなんともアンバランスなのだが、それがとてもうまいスパイスになっている。そのアンバランスが許されるのだ。

玉かぎる昨日の夕べ見しものを

今日の朝に恋ふべきものか

柿本人麻呂のこの歌をどう訳す?

昨日それも夕方会ったばかりなのに

今朝にはもう恋しく思っている

そんなわたしで イイノカナ・・・

最後の「イイノカナ・・・」がうまく効いている。

そして、この本にはたくさんの写真がある。これがまた上手い。

この奇抜な現代語訳を見事にイメージ化している。

時には万葉の世の恋に思いを馳せるのもよさそうだ。

身近語の妙味 ★★★★☆
身近な言葉の妙味で万葉集を見直すが、この企画のキモです。あくまでも、現代語訳というよりは、身近語なのです。
訳者の上野さんを知っていると、やや恥ずかしくなる訳もあるけど、そこは知らないふりをして、親しんでみましょう。