日本の川はコンクリートの排水溝
★★★☆☆
同名単行本の文庫化。写真を入れ替え加筆修正したと文庫化へのあとがきに書いてある。美しい写真多し。片岡が質問し、野田が答えるという形式になっている。対談の場合は同格とあつかい氏などで書き分けるが、この本では片岡を地の文、野田を鍵かっこで書いている。最初のうちはこの形式で何の違和感もなく進むのだが、環境の話となると急に地の文、つまり片岡の文章が大幅に増える。なんか妙だ。普通に対談形式でよかったのではないか。子供の頃をきかれ、悪い母親の定義を「魚がかわいそうだ、逃がしてやれとか、そんな魚はきたないとか、危ないから川へいってはいけないとか、そんなことを言う女だと思う」と野田が言っている。ちょっと笑った。85年ごろの日本の川の状況を知ることができる。