名探偵ポワロが登場する、1978年公開のミステリー映画「ナイル殺人事件」のサントラ盤、初の単独盤です。
もちろん、原作は、アガサ・クリスティの「ナイルに死す」。

作曲は、何と「太陽がいっぱい」「ゴッドファーザー」の巨匠ニーノ・ロータ！
ナイルをイメージしたスケールが大きく壮大なメイン・タイトル、華やで起伏の大きい豊かなメロディでオーソドックスなオーケストレーションを中心に、全体的に時代背景を表現したクラシック調や、ワルツなど、自由自在。
まさに、映画の舞台である時代を表現した作品が、その音楽自身がハリウッド映画の黄金期の雰囲気を醸し出しています。
今の作品には無い、味わい深い映画音楽です。

なお、ライナーノーツは、見開き４つ折り８ページのオールカラーで、英文解説と映画のグラフィック・イラスト入りです。

オールスター・キャストによるアガサ・クリスティ原作小説の映画化作品は、「オリエント急行殺人事件」「ナイル殺人事件」「クリスタル殺人事件」「地中海殺人事件」「ドーバー海峡殺人事件」「死海殺人事件」と続きますが、音楽面では、リチャード・ロドニー・ベネット作曲の「オリエント急行殺人事件」と、ニーノ・ロータの「ナイル殺人事件」が突出して良い出来でした。