古代エジプト人は神の図像を作ると、そこにいくばくかの神の霊力を込めることができると信じており、そこから逆に神をも支配することができると考えていた、と著者は言います。これこそがフェティシズムの真髄なのだろうけど、ちょっと考えても、これは怖い信仰だよ。エジプトの高等教育を受けたとされるモーゼが、神の御名を唱えることや、神の像を彫ることを禁じたのは、もともとの意味は誰もが簡単に神の力を使えては困るからでしょう、たぶん。
日本人も古くから似たような信仰を持っていたので、意外といろんな読み方ができると思う。古代エジプトの理解のために、あるいは比較文化のために。