1ページにひとこと、のリズムが良いです。
★★★★☆
1ページに1つずつ、「腑に落ちない」と思うことが大きな文字で書かれています。
その下に、筆者がなぜ腑に落ちないと感じているかなどといった、数行のコメントがあります。
そのため、1ページ内の余白がかなり広くとられていて、
初見でコストパフォーマンスを考えた時に疑問符が付きそうになりました。
しかし読み進めると、思わず「あるある」とニヤけてしまうことの連続で、
余白があるが故に1ページにひとことという良いリズムが生まれ、その面白さに引き込まれてしまいました。
ふかわりょうといえば、「相手にダメージを与えるひとこと」を連発するあるあるネタでブレイクした芸人として有名ですが、
「フニオチ手帳」に関しても、言い換えれば「あるあるネタ」の集合です。
この本に書かれているネタは全て筆者が考えたものではないようですが、
さすがひとことネタのプロとして、独特の雰囲気を醸しています。
内容的には、世間を痛烈に批判しているものも多く混ざっていて、
実は笑えないんじゃないかと気づくような、考えさせられるネタも含まれています。
その点が、単なるあるあるネタとしてではなく、「フニオチ」の名を冠している所以でもあります。
ページ数こそ分厚く「辞典」のようですが、気軽に読み進められる点では、まさしく「手帳」です。