加算回路からはじまり
★★★★★
リプルキャリアダという「さざ波桁上加算回路」では、桁上がり(キャリ)の処理で遅延が生じること。
遅延を少なくするために、キャリルックアヘッド(桁上り先読)によって、段数を減らすことができる。この計算をするためにgeneration(生成)とpropagation(伝搬)という概念を使って計算を行う。generationは、2つの信号のAND(論理積)。propagationはXOR(排他的論理和)を使う。
しかし、桁上がり先読みでは、ファンアウト(展開数)が大きくなります。そのため、配線が増え、充電(チャージ)、放電(ディスチャージ)が増えるため、配線遅延が増加することになります。ゲート遅延よりも配線遅延が大きくなる可能性がでているとのことです。
これらの問題を解決する方法とつぃて、APPNA(alternative parallel prefix network)を紹介しています。
また、コラムでは、pチャンネルトランジスタの方が、nチャンネルトランジスタよりも遅いことを紹介しています。
非常に読みやすい
★★★★★
数値演算回路の設計方法をボトムアップ的に説明した本.教科書にありがちなトップダウン的な構成を取っていないので最初ややとまどいますが,説明の流れが非常に明確なので非常に良く理解できます.この分野の最初の一冊におすすめです.
これこそが真の実用書!
★★★★★
日本にはこうした演算回路ロジック設計の本は少なく、自ら回路を組んだこともない大学教授が書いた教科書や、役職は偉くても現役引退して久しい技術者の書いた自称実用書くらいしかなかった。この本はそういう本ではない。本当に役立つ知識が集まっている。密度が濃いので全部を流し読みするようなことはできないが、手元に置いておいて決して損しない一冊。