炸裂するトランペット
★★★★★
60年代後半からROCKにブラスを導入したブラスロックが現れROCKサイドからホーンを加えるグループが主流の中、JAZZサイドからアプローチしてきたのがCHASEである。リーダーのビル・チェイス自身ビックバンドで活躍していてウッディーハーマンビックバンドで冴えわたったトランペットを吹いている。(この時代のアルバム「Jazz Hoot - Woody's Winners」も聴いてもらいたいキレまくったペットが聴ける)
このCDは3枚アルバムを2CDした物だが、1枚目は発売されていて他の2枚の発売が待たれていたが、3枚いっぺんに聴けるこのCDはありがたい。
1枚目71年「CHASE」
衝撃のデビューアルバム。1曲目「open up wide」で4連トランペットをいきなり炸裂させ、名曲「get it on−邦題 黒い炎」はあまりにも有名でカバーも多い。
2枚目72年「ENNEA」
ギリシャ神話を題材としたアルバムとなっている。このアルバムの日本発売と同時に武道館ライブも実現している。ちなみにジャケ写真は「ENNEA」でLPでは裏面に使われ、表は中抜きの物である。(どちらが裏焼きか不明)
この2枚は後半が組曲となっていて、一番の聴き所である。
3枚目74年「PURE MUSIC」
CHASE最後のアルバム。メンバーを大幅に入れ替えて再出発したアルバムだが、よりJAZZ FUSION色が強くなっている。余談ではあるが当時テレビのヒット番組「ウイークエンダー」(窃盗などの事件をレポーター(泉ピン子ets)が面白可笑しく聞かせる)に#4「bo chawa」(超名曲です)が使われていた。
このアルバムが最後となってしまったのは、ツアー中の飛行機事故でCHASE自体が消滅してしまったからである。
CHASEはやはりJAZZバンドだと思う。当時のアメリカでもJAZZバンドとして認知されていたようである。しかし彼らの残した影響は大きく、特にアレンジは当時日本の音楽界に多大な影響を与えたそうである。
是非ともビル・チェイスのギンギンにキレまくったペットを聴いてもらいたい。
70年初期のブラス・ロック・グループ
★★★★☆
チェイス知っていますか?70年代初期のジャズ・ロック・グループである。このグループの特徴はなんといっても多重トランペットの響きの美しさにあると思う。そのベストでなんと3枚のアルバムが2枚組CDにおさめられている。まず71年の同名のアルバム。この中から"Get It On"は邦題「黒い炎」で大ヒットしたのでご存知のかたも多いだろう。次にEnneaというアルバム。これはLPではB面にあたる部分がギリシャ神話の神をそれぞれ題材にしたものがなかなかユニークだ。このアルバムは昔ラジオからよく流れていて何度も聴いていて、なつかしい。どの曲も名作だと思う。3枚目はPure Musicで74年度作品らしいが、よく知らない。メンバーもがらりと変わっている。ロックでこれだけトランペットが前に出たグループは他にないのではないか。