イエロー・モンキー活動休止から約3年。シングル2枚を経て遂に届いたファースト・ソロ・アルバム。きらびやかなロックスターのガワを取っ払って、自分の業と感情を検閲せずに出してしまったら、エライことになっていた。ヴォーカルはもちろん、ドラム以外の楽器をほぼ1人で演奏し、7曲ではミックスまで手掛けたこともオルタナティヴなサウンド・プロダクトを生んだ理由かもしれない。しかし、強力に匂うのは、他人の評価や世間の価値観からドロップアウトしてしまった30代後半男性の死生観と絶望感だ。本当に真摯な人だと思う。シングル「SWEET CANDY RAIN」などで感じられる、レディオヘッドの近作に近い音像が新鮮だが、妖しげでグラマラスなメロディも健在。(石角友香)
Excellent!
★★★★★
このCDは、吉井さんの美しい高音が聞ける貴重なCDだと思いました。吉井さんの声には、声量があり、よく響きます。正直、白人系の声量です。彼の詩から、ロシアの血を受け継いでるのかな?と感じました。外見も、ハンサムで、完全なアジア人には見えません。また、真珠貝色の革命時代は、完璧チャイコフスキー系でした。となると、なにゆえに、無理に、大人になろうとしたり、結婚を考えたりしたのでしょうか?私には、無理に、日本人の考え方に同調しようとした優しい白人系男性にしか思えませんでした。しかし、さすがに吉井さん!簡単に屈服せず、毒舌吐きまくってるのですが、それが、美しい言葉の羅列と美しい高音で、なんとも、メランコリックな素晴らしい歌に変えてしまった。でも、タリは、超リアルで、私は、本当に結婚するんだと思っちゃった、豚?このCDは、どちらかというと、吉井さんの美しい貴重なメランコリックな名曲盤と思ってます。もちろん、曲はせつないので、最高です。吉井さんは、頭のいい人です。絶えず、ファンを飽きさせないために、次々と、いろんなアイディアを生み出します。そして、同じタイプのCDは、絶対出さない。だから、彼のメランコリック盤は、このCDだけなので、なるべく早く、買っておかなければ、後々悔やむと思います。J'adore sa belle voix melancolique.
いつか名盤と言われるんじゃないか?
★★★★★
久しぶりにちゃんと聞いてみた。
凄いね。深いよ、ドン深。
吉井のようなレベルで活動し続けてる日本人はそうそういないよね。
ドラム以外は全部自分で演奏したんだそうで。
雰囲気あります。独特です。
製作期間も長いし、金も凄いかかってしまったそうです。
ミックスはAdam Caspar(Pearl Jamとか)が最初の3曲やってます。
あとのミックスは自分でやったみたい。
そのかいあってか、誇張じゃなく聞けば聞くほど良いわ。
ここまで自分の作品に責任持ってやってる人はなかなかいない。
なんか過小評価されてる気がしてならないな。
ホントにアーティスティックなアルバムです。
バンド時代とは異なる意味での大作ですよ。
★★★★★
メイクをしてギラギラと艶めかしいステージのパフォーマンスをしていたときと比べると、今作はとてもストイックな印象。そしてなによりダウナー。ただ、作品のクオリティーはかなり無駄を排除した研ぎ澄まされたものとなってます。それだけに、バンド時代の作風を期待する人には違和感を、彼の作品にこれを持って初めて触れる人には独特な存在感で一気に引き込まれそうな感じがします。率直に言って私的にはこの作品はかなりの傑作だと思いますよ。オーソドックスなロックナンバーの「CALIFORNIAN RIDER」や「FALLIN’ FALLIN’」、シンプルながら深みのある歌詞とメロディーが印象的な「SIDE BY SIDE」は間違いなく彼の作品の中でも名曲レベルのもので、とことんダウナーな作風のスローナンバー「SWEET CANDY RAIN」での「もう誰のせいにもしない」というリリックが、なんとも彼のアーティスト活動の中から滲み出る苦悩と葛藤が窺えますね。そんな負の力が作用したからこそ、今作の様に万人受けはしないかもしれないけど、音楽を通じて発せられる底力の凄さを実感させられるものが生まれたのでしょう。
くどいようですが、これは邦楽史上に残るべき名盤ですよ。
暗い?黒い!
★★★★★
すごく面白いアルバムだと思います。
たしかに色で表現するなら、黒になるんですが、
吉井さんの遊び心がふんだんに詰め込まれた、とても楽しい曲ばかりです!
統一感もすごくて、聞いていると頭の中は常に真っ黒になるんですが、
ずーっと真っ黒でいいや!って、なりますw
個人的に邦楽ベストアルバム
★★★★★
邦楽のロックアルバムの中で、後世に残る名盤だと思う。
音質とドラムについては、このレベルの邦楽ロックアルバムを聴いた事がない。
他の楽器は吉井自身が大部分を演奏している。うまくはないが、一音一音考えて配置されている。まるで、優れた洋楽ロックを聴くように適当に置かれた音はなく、緊張感が最後まで切れない。吉井の音楽観が強く出ている物となり、独特の作品となっていて似た物を見ない。
日本という文化の中で育った吉井にしか出来なかったアルバムだと思う。
吉井自身がミックスした曲もあり、かなりの部分を吉井が関与している。
資金や時間もオーバーし、毎日毎日作っては消し、迷宮を彷徨った中でやっとできたような難産のアルバムらしい。
このクオリティーは残念ながら一部のロック好きしか解らない。ライブ会場で多い、元イエモンの吉井ファンにはわかり辛い。優れたアルバムではあるが、吉井の立ち位置で、吉井が作るべきアルバムではないように思う。
洋楽・邦楽ロック好きに、一度は聴いてもらいたいアルバム。
吉井和哉も二度とこのようなアルバムを作らないし、作れないと思う。