スイートの最高作「明日なき青春」
★★★★★
リマスター再発されてかなりたってからのレビューで申し訳ない気持ちでいっぱいだ。SWEETの最高作は、どうもこれだという結論が出た。
前々作の「FoxOnTheRun」、前作の「Action」という派手なシングル曲に恵まれなかったせいで、どうもこの作品の位置づけは低い。(とは言いつつStairway to the Starsは、そこそこヒットしたはずだが)加えて初期のバブルガム・ポップとかグラムロックというイメージに引きずられて、
ハードロックとして正当な評価がされているとは言い難い。英国ではストレイもそうだ。当時売れなかったグループのほうが、現在ピュアで価値が高いものとして尊敬されているフシがある。
理由はクイーンという怪物グループの存在だと思う。ギターの音色にしろ、コーラスをハードロックに持ち込むという発想にしろ、スイートはいつもクイーンの後塵を拝してきた。しかし、当時中学生だった私たちはシングルの「キラー・クイーン」を買うか、「フォックス・オン・ザ・ラン」を買うか迷ったのだ。そのぐらい人気があった。ところが、OffTheRecord(邦題「明日なき青春」)は、スイートファンも一気にスイート離れを起こす作品だった。アメリカナイズとファンクの導入が原因だったと思う。
4.WindyCityの重さ、6.She Gimme Lovin'のスピード感、7.Laura Leeの劇的展開など聴きどころが多い。シャウトしコーラスするボーカルはこのグループの真骨頂である。ベストトラックは2.LostAngelsでジャカジャカしたギターから一気に盛り上がるドラマチックな曲である。リズムが単調なきらいはあるが、改めて完成度の高いハードロックであると申し上げたい。