オヤジの代弁者「KAN」を感じて
★★★★★
最近、普通のCDショップなどで
KANの作品を入手しづらくなったことを残念に思います。
逆に、インターネットの普及により、
入手しづらくなったKANの作品を購入できることを嬉しく思います。
もはや我々オヤジの代弁者とも言えるKANのこのアルバムは、
曲をとばすことなく聴けるすばらしい一枚と言えるでしょう。
1曲目のラップは、若い世代のそれとは違う感じがあるため、
オヤジでもすんなり入っていけます。
そして、KANのアルバムに必ず1・2曲入るバラードの中で
「情緒」は、高原に車を停め、
遠くを眺めながら聴くのがお薦めの、最高の1曲です。
やっぱりこの人は
★★★★☆
すごい人です。
このアルバムは、「暗く冷たく重たい」曲が多いので、自分が落ち込んでいるときには結構ヘヴィなのですが、作品としてのクオリティは高いと思います。研ぎ澄まされた、とでもいうのでしょうか。それゆえに、不安や絶望、虚無感などがストレートに心に響いてしまいます。
結婚したり子供ができたりしたら曲や歌詞に変化が出てくるということは、ずいぶん前にご本人もコメントされていました。このアルバムを貫く「悲しみ」を唯一救うのもその点だと、思います。伴侶を得た、その存在が絶望の淵に身を投げてしまうのを押しとどめているような・・・。
最後、「今年もこうしてクリスマスを祝う」を聞き終わった後、ひそかに妻の存在に感謝しています。
「重い」作品
★★★★★
ここ最近のKAN作品の中で多少異質な印象を受ける。
「小羊」「カラス」「情緒」と洋楽をベースに美しいメロディーをつけたKANらしい名曲が満載ではある。
ただ純粋なラブソングよりも、人生について考えさせるような、重たい歌詞が多いような印象が強い。フランス渡航前の心情が現れているのだろうか。なんとなく「弱い男の固い意志」の作風をイメージさせる。
結婚してから「悲しい歌が少なくなった」という声はよく聞くが、このアルバムを見ると決してそんなことはなく、悲しさの質が変化していると言ったほうがよいのではないだろうか。
単純な男女関係における悲しみというよりも、人生全般における不安や哀愁を美しいメロディーに乗せて歌うようになったということを、KANの進化であると受け止めたい。
ただ「東京熱帯Squeeze」はKAN得意のパロディーにしてはちょっと練りこみが足りないような気も・・・・。
(追記)最近ライブで「東京熱帯Squeeze」を聴きましたが予想以上にカッコいい仕上がりになっていて驚き。この曲ってギャグじゃなかったんだ!と今更ながら発見しました。
やっぱり良い。
★★★★★
数年ぶりに買ったKANさんのアルバム。
聞いているうちに、しみじみと音に浸る自分に気づきました。沁みますね、やっぱり。
嬉しかったのは「Tiny Song」。偶然とはいえ誕生日が近い私にはpretty surprise!
幸運に感謝。
★★★★★
私もKANさんは天才だと思います。ラヴソングだけ凄い、ぐったり曲だけ右に出るものはいない、という人はいても、両方がバランスよく成り立っている商業音楽家(byKANさん)はそうはいない。
ともすれば、サビは英語に逃げがちで、よくよく意味を確認すればなんのことはない歌も多い中、KANさんは日本語を丁寧に扱っています。まさに「搾り出し」。「アイカツ」しか知らない人にこそ聴いて欲しいです。そうすればあの曲が「通過点」だったということがわかっていただけるかも。
沢山の歌手がいる中で、KANさんの作品を「素晴らしい」と思える自分がとても幸せです。